今を君と生きる。
□第3章 巻き戻しの街で
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「今日」は違うことが起きたわ
私殺されそう?
確か この後私は馬車にドロ水をかけられて家に帰って寝るハズなのよ
何この化物?
「イノセンスはどこだ…?」
今日は「今日」じゃなかったの?
私…
「その女性を放してください。」
『こんばんは、AKUMAちゃん♡』
ドン!
また新しいのが出てきたわ
あの黒服の2人も「今日」と違う
「今日」の出来事がどんどん違ってく
やった、
私!
「今日」から抜け出せたのね!!
『…てか、いまの人、何…?』
次の日ー?
ずーん…
また…10月9日の新聞
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同じ雪空
チラッ
8時5分前…………
ゴク
3
2
1
ガッチャーン!!
あんたー!!またあの女と浮気したわねー!!
「やっぱり」
お隣さんの同じ夫婦ゲンカ
「おめーなんか窓から落ちちまえー!だらぁああっ」
「許してくれお前ーっ」
また10月9日が来てしまったわ
「う…ううう…。これで30回目…」
コチ
ゴーンゴーンゴーン…
「!」
とけいが鳴った。
ゴーンゴーン
「ぐすっ」
キュッ
時計を拭く。
「ありがとう。なぐさめてくれてるの?さ、キレイにしましょうね」
キュッキュッキュッ…
コチ
「あー、不幸女が来たぞーっ!
くらえ!」
ガキどもがウンコを投げてくるのをサッとかわす。
「ええーっ、コイツよけやがったー!!」
「フン!30回も同じタイミングでウンコ投げられたらそりゃ覚えるわよ。」
「はあ?ウンコ投げたのは、今日がはじめてだい!」
「ペーター、ミランダと喋ると不幸がうつるぞ!!」
そして、ガキどもは一斉に歌い始めた。
「ミランダ♪ミランダ不幸女ミランダ♪モテない暗い鈍くさい♪今日もし如し探し?どうせまたクビさ〜♪」
そんな奴らにカッと目を見開いてやると、不幸ビームだーなどといって逃げていった。
私は今、30回目の10月9日の中にいる。
街は今日も10月9日のまま。
人々は同じことを繰り返し、私以外誰もこの異常に気づいてない。
変わってくれない…
何ひとつ…
黒いコートを羽織った2人の人が、目に入った。
「あれは…昨日の「今日」に現れた人。そうだわ。私の10月9日は「馬車にドロ水をかけられて家に帰って寝る」なのに…
昨日の10月9日の夜だけは、そうじゃなかった…。突然あの人達と化物が登場して、出来事が変わったのよ…。」
あの人達は何!?
ちょっとまってぇーーー!!
猛ダッシュで2人の後を追った。
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