短編集
□(3)
1ページ/2ページ
初めて会ったときはナルトのことをマイナスに評価してばっかりいたのに、今ではどうしようもなく大切にしたいと思う。
ナルトが自身に関してわがままを言うのは自分だけだと知っているからこそ、そのわがままをついつい許してしまう自分がいるのだ。
こうやって甘やかしてしまうのはしょうがないことだし、何よりもこうやってナルトが甘えてくることで自分が必要とされていると感じる自分はどうかしているのかもしれない。
ナルトがいなくても強い誰にも負けない忍になると誓っていたが、ナルトを大切にしたいと思うようになってから、その目標はより現実に近づいたような気がした。
きっと、これからも自分は2人っきりの時はナルトをどろどろになるまで甘やかすだろう。
いつかナルトが自分のそばから離れては生活できないというぐらいに甘やかしてやる。
明日は2日に1回、ナルトに飯を食わせてやる日だ。
ナルトが嫌いだと言う野菜を調理して、絶対に食べさせてやる。
どうせ、食卓について最初は絶対に野菜が多いと文句を言うはずだから、そしたらどうしてナルトがいつまでたっても勝てないのか、野菜を食わないからだと説教をしてやろう。
ナルトが聞き分けのない子供のように文句をこぼすのは叱られたいときだと知っている。
だから、怒っているような呆れたような声音で野菜がどれだけ大切で、トマトがどれほど旨いものなのかを教えてやる。
ぶーたれた表情を浮かべることで、ゆるゆるになった頬をごまかそうとしているナルトを思い浮かべ、サスケは明日のための準備に取り掛かった。
END
2012/4/20
.