お題小説

□なぜ謝っても許してくれないのですか
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拝啓、大事な貴方へ
■拝啓、怒っている恋人へ
 02:なぜ誤っても許してくれないのですか


不眠の毎日が続いている。
あの日――恋愛に関してなれた様子の恋人に一泡吹かせようと愚作して、あげく泣かせてしまった日からサスケは不眠が続いていた。

ナルトを泣かせてしまった日から連絡は途絶えてしまい未だにナルトに事の事情を話すことができていない。
正直なところ、幼少のころから好き勝手やってきて謝る癖がついていないサスケは、謝罪をするということに酷く抵抗があった。
今の現状を打開するためにはそんなくだらない意地を張るべきではないとわかっているのに、
携帯にナルトのナンバーを表示してもダイヤルすることはできなかったのである。
それがずるずると続いているのだ。

もちろん、彼氏の浮気を目の前で見せ付けられたナルトが自身から連絡を入れるはずもなく音信不通の現状が続いているわけだ。

サスケが折れればいいものを・・・いや、今回の事に関してはサスケが折れなくてはならないはずなのに、しかし仲直りの一歩を踏み出すことができない。
自分らしくもなくスタンダードな付き合いをしている大切な彼女だ。
今回の一件で別れるようなことはしたくない、絶対に。
それなのに足踏みするばかりで不眠症に陥っているとはなんとも情けない話である。

昔から優秀な兄と比較され続けていたからか、柔な精神はしておらず向上心と自尊心だけは人一倍強かった。
それがあるからこそ、周囲から見ればおチャラけているナンパ野郎にしか見えないサスケが実は某有名T大学に通っているのだろう。
それほどまでに強力な精神を持っているサスケが今や不眠症になっている。
この不眠症は誰よりも・・・何よりもサスケを憂鬱にさせた。









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