短編集2

□2人の写真撮影
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中村春菊先生連載10年おめでとうございます!!
純情ロマンチカが連載10年連載、すごく喜ばしいことです!!
今月の頭にマンガを買って今更のお祝い小説ですが、ロマンチカを知っている方はぜひ見てみてください。

■ 純情ロマンチカよりウサギ×美咲
【2人の写真撮影】

クマパークでとった写真をパソコンに取り込んでいるとウサギさんがいきなり提案してきた『写真撮影』。
相変わらず、言い出すことが突飛過ぎてついていけない感じがする。
てゆーか、ウサギさんは今更俺との写真なんかが欲しいのだろうか?
それとも…その、一緒に写っているのが、好きな人…俺、だから?

正直今までのバカウサギの写真の使い方をみているとあんまり一緒に写真を撮りたいとは思わない。
ウサギさんが締め切り直前に仕事をしないで俺の写真を見ているとき、心なしか俺自体が疲れている気がする。
いや、多分!間違いなく!絶対!そうに決まっている!!
きっとウサギさんが見ている写真を介して、ウサギさんの疲労が俺に送られているに違いない!!
あんのクソウサギめ!!

だけど、ウサギさんが今まで誰かと移っている写真なんて見たことがない。
ウサギさんの小さい頃の写真はどれも一人だけで写っていて、その表情は無表情で。
もしかしたら誰かと一緒に写真なんて撮ったことがないんじゃないかな?
うん。
宇佐美一家ならそういうのが普通にありそうだ。
だって、あのウサギ兄とウサギさんが仲良く隣に並んで写真を撮るなんて考えなれない。
ウサギ父なら――いや、あの人は忙しくて子供を顧みることができなかったって言っていたし。

いつも宇佐美家のことを考えたときに思い出すのはウサギさんの実家からこっそりともってきたノートに書かれていた小説のこと。
ハッピーエンドで終わっているはずなのに、どこか寂しくて。







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