長編

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Goodbye10年の片恋
3、もう1人の九尾


サスケが女とまじわりを持つようになってから1年が過ぎた。
サスケは今でも『来るもの拒まず・去るもの追わず』を続けていた。

サスケがそうなったときナルトの「愛の誓い」の定義は崩れたが、今でもナルトはサスケのことを想っている。
いや、その想いはいっこうに消えてくれないのである。

だから、サスケとナルトの関係が変わることはなかった。
今までどおり違う小隊で任務をこなし、時たま同じ小隊で任務をする。
そのときは下忍の頃のようにちょっとした口論をしたり、ふざけた取っ組み合いをすることもあるが、
お互い任務が始まれば、本領を発揮して次々と仕事をこなしてゆく。
下忍の頃からいやと言うほど相手のことを知っているからこそ、その息はぴったりで任務の成功率も高い。
そうやって、あっという間に任務が終わるのだから、サスケとナルトの組み合わせは意外と重宝されていた。

そして、サスケはナルトとの任務が終わった後、憎たらしい微笑を湛えて、必ずこういう。
「お前が1番組みやすい。かなり不本意だがな」


この言葉を言われるから、ナルトの想いが消えることはないのだ。
サスケから直接もらえる『1番』。

ナルトはサスケからこの言葉を聞きだすために鍛錬を積んで、そしてサスケとの任務を絶対に成功させようとしていた。
実際、サスケとナルトが組んだ任務の成功率は100%である。

自来也に弟子入りして修行を積んで、瞬く間に強くなったのは周知の事実であるが、
下忍の頃はあれほど小さなミスが多かったナルトが完璧に任務をこなすのを、周りはみんな感心してみていた。








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