長編

□<14>
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Goodbye10年の片恋
14、彼女の仕事


あの召集から一週間が経った今日。
精鋭小隊として任務遂行のために計画を練り上げてきた。
その計画をとうとう実行に移すことになる。
日が沈んでから本格的に動くため、まだ太陽が里を照らしている間は綱手の隠し部屋から出ることはできなかった。

正直言って緊張はする。
一歩間違えれば長い間、平穏な時間を保ってきた木の葉の里が混乱に陥り、最悪の場合、里内で忍者同士の抗争が起きるかもしれないからだ。
そしてもう1つ。
心の中にうずくまってびくりともしてくれないナルトの存在。

あの任務がいい渡され、小隊メンバーにナルトが入ることを知った。
それはナルトが里から出た三年間をどうやって過ごしてきたかを知るきっかけ、いや、決定打となった。

自分の知らないところでアノビメ紛いの生活をしていたナルト。
自分の目の前で昔と変わらないように、無垢で少女らしい潔癖さを持っているナルトからは想像もできない任務内容だった。
未成年であるとはいえ、子供というには場数を踏みすぎている自分から見れば、いつものナルトはあまりにも綺麗過ぎる存在だった。
なのに。
ナルトは知らないところで、知らないうちに、自分が知らない男と経験を持っていたなんて。
そして有名になっている“オサキ”という名前を聞くに、ナルトは自分でも記憶していないほどの数の男に抱かれてきたのだろう。

これが、今ではアスマの妻に納まった紅のような幻術タイプの忍だったら。
自分の中に残る一抹の希望をのせて、まだ抱かれていないと思い込むこともできただろうに。
ナルトは今も昔も幻術はからっきし。
むしろそんなことを考えてしまうたびに、ナルトの事を知らない自分を見せ付けられてやるせなくなった。








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