テニスの王子様。
□12.予告
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やっぱり、なんだかお決まりになった蔵・金ちゃんと朝食をとる私。
…私は結局、どうしたいんだろう。
一番、知りたいのは。
私に触れた理由。
でも、それを聞くことは絶対にできない。
怖いから。
期待を裏切るような言葉が返ってきたら怖いから。
精市を見ていると、デザートを取りに行って帰ってきた蔵と目が合った。
切り替えなきゃ!
そこでふと、蔵の左手が目についた。
そのことについての話を聞いたなぁ…金ちゃんを苦労して育てた話。
「蔵って…お母さんみたいだよね」
思ったことをそのまま口に出すと、
蔵はぽかん、とした。
でも、「わっはっは!白石が母ちゃんやて!」って大爆笑した金ちゃんと一緒に笑った。
「母ちゃんてなんやねん!せめて父ちゃんやろ?」
「あ、それもそっか!でもなんかお母さんのイメージなんだよね…」
蔵って、お父さんよりお母さんのイメージのような気がする。
なんでだろ?
あ。
「蔵といると、なんか安心するからかな…?」
笑って言って蔵を見ると、照れくさそうな、嬉しそうな、そんな顔をしていた。