テニスの王子様。

□15.期待
1ページ/8ページ






亮が、『好きだ』って、。







…うちに言ってるの?

とか思ったけど、うち以外に人はいなくて。



それに、繋がれた手から力が伝わったから。



本気、なんだなと



嫌でも分かってしまった。





そのせいか、うちの中で答えは出ているはずなのに、その言葉が出てこない。







早く、言わなきゃ。












口を開こうとしたその瞬間、




突然目の前に現れた赤髪。




手と手がバッと離された。







「抜け駆けすんなよぃ、宍戸。…行くぞ、里奈」











ブン太。





「え、でも…っわ」






うちがブン太と亮の顔を交互に見てると、
さっきの亮みたいに、今度はブン太がうちの手を握って走り出した。






ブン太に引かれながら亮をちらっと見ると、苦笑いをしていた。





前を向いて、繋がれた手と手を見る。




…かおがあつい。









赤いのがバレないように、俯きがちに彼の背中を追いかけた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ