テニスの王子様。
□15.期待
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何分くらい走ったんだろう。
ブン太の背中を引っ張られながらひたすらに追って、ようやく止まったところは公園だった。
うちの息が荒くなっているのに対して、ブン太は全くその気配がない。
「ごめんな」
そうとだけ言い、うちをベンチに座らせた。
「ちょっと待ってて」
「あ、うん」
どこかに行くブン太の背中を見届けてから、夜空を見上げた。
…なんだか、状況が理解できずにぼーっとしてしまう。
空には星が輝いて、遠くから花火の音が聞こえる。
…小橋はどうなったかな……白石になんかされてたりして………幸村と会えたのかな…
上を向きながらそのことについてあれこれ考えていると、急に頬に冷たいものが。
「わっ!?」
思わず声を上げて前を見ると、ブン太が笑って、小さいペットボトル2つを持って立っていた。
それを「ほいっ」とパスされ、受け取る。
「りんごで大丈夫だったか?」
「うん、ありがとう」
ブン太もベンチに腰掛けた。
…ち、近いぞぉぉぉ…!!