テニスの王子様。
□19.
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あんなことがあった翌日に熱を出して学校を休みとても気まずい夢です。
「おはよう、夢」
「お、おは、おはおはおはようございま…っ……やっぱ無理ですぅぅぅぅ!!!!」
無理、無理、無理!!!!
目が合っただけなのに、顔が熱くなる。
フラッシュバックする。
昨日散々思い返したのに、ちゃんとしようと思ったのに!
とりあえず、走って教室を飛び出した。
でもすぐに、他に行くところがないことに気づいた。
「…くっ、こないだサボっちゃったわけだしもうそういうのはダメだから…どうしたものか」
ひとりでぶつぶつ呟いていると、
「教室に戻ればいいだけの話だよ」
「そうだよねー……ってうわー!?精市!!」
思わず相槌を打ってしまった。
精市って気づいたらいるよね。私が鈍いだけなの?そうなの!?
「ひどいじゃないか、逃げ出すだなんて」
悲しい顔をしてそう言うものだから、とてつもなく申し訳なくなった。
「…いや、うん、ね。…だって恥ずかしいんだもん…!!」
そう言うと、思いがけない言葉が精市の口から出た。
「……うん。俺もだよ」
「え」
精市も、恥ずかしかったの?
ふつうに見えたのに。
「昨日だって、一昨日のことを思い出して赤面したり、してたんだ。恥ずかしいけど」
そっぽを向きながら顔を紅くする精市。
私と、いっしょだ。
私と同じ気持ちでいてくれてる。
そう、思えた。
「…ありがとう、精市。いっしょの気持ちなんだね。だったら、大丈夫だね」
「…うん。どういたしまして」
やっぱりまだ少し照れながら微笑む精市に、私も微笑んだ。
「教室行こうか」
「うん!」