テニスの王子様。
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「…ブンちゃんはまだ里奈にキスできてなくて、私たちに助けを求めてきた、と。」
「うん。夢からキスしてくれないのと同じでブン太もできないんだって」
精市のその言葉に、思わず赤面した。
私からとか絶対無理って何度も言ってるのに!!!!
「……でも、里奈からなんて無理だと思うよ」
「うん、ブン太にさせる。こら夢、無視しないの」
そう言いながら、でこぴんされて思わずヴッと声が出た。
女子力の欠片もなくて申し訳ない…。
「ごめんなさい…」
「うん、いいよ」
「はやっ」
「ちょっと苛めちゃったからね。」
そう言うと私の頭を撫でる精市。
「夢って何回こういうことやっても初々しく顔紅くするよね、かわいい」
「んなっ……」
反論も何も言えずに口をパクパクしていたら、精市がクスッと笑った。
慣れるわけがないのに。
こんな幸せに、慣れちゃいけないとも思うし。
「よし、作戦を立てようか。決行日も決めないとね」
「うん」
「…なぁ、おまえら、俺の存在忘れてねぇ?」
あ。
ブンちゃんいたんだった…!!