テニスの王子様。
□6.体育祭
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夢です。
私と里奈は現在
正座をさせられています…
テニス部の皆に囲まれた状態で。
「で?誰に、何回呼び出されたの?」
幸村君が笑いながらそう聞いてきた。
…怖い……!
「わ、私も里奈も同じ人にです…私は2回……」
「…うちはさっきので3回…です」
幸村君のあまりの迫力に敬語になる私達。
「誰に?」
「…名前わからない…」
名乗らなかったんだよね…てか、めっちゃ美人さんだったなー!
「夢ちゃん、美人とか関係ないから」
「え!?心読ま「声に出てたんだよ」しまったぁぁぁ!!」
わ、皆に笑われたよ、ちょっと傷ついた!
でも、怒っている幸村君に睨まれ笑い声はおさまった。
すると、丸井君が真剣な面持ちで口を開いた。
「幸村君、あいつだよ、伊集院」
「伊集院か…厄介だな」
幸村君はとても難しい顔をしている。
伊集院とか…お金持ちそうですねー。
「ふんっ、伊集院なんか跡部財閥の力でねじ伏せてやる」
跡部君がそう言うと、幸村君はふふっと笑った。
あ、初めて幸村君の笑みに恐怖。
「そうだね、跡部に任せよう。…夢ちゃん、木戸さん、次こういう事があったら絶対に言うこと。絶対だよ、いいね?」
またまた笑顔の幸村君。
私達は元気に
「「はい!」」
とお返事をしました。
幸村君、意外と怖いとこあったんだね!
ま…そんなギャップもいいかも…ぎゃぁぁ!何考えてんだバカヤロー!
「よし、じゃあ、部活に移ろうか。皆、行くよ」
考え事をしていた私は幸村君のその声に気づかなかった。