Spera

□02 tranquillitati
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朝日はもう天高く頭上にあった。

クラウンと村から一番近いアサンドという小さい町に来ていた。
アサンドは、この付近にとっては都会のようなものであり大体はここで揃えられる。

朝からなにも食べてないヴェンラットたちは、レストランに来ていた。
ヴェンラットはレストランに来るのははじめてでメニューを見て迷っている。


「…以外と高いんだな。」

「そうっスか? まぁ金はオイラが出すから気にしないで好きなの食べるっス」

「クラウンはもう決めたのか?」

「あぁ」


クラウンはこういうのは慣れてるんだと思うと、なんだか恥ずかしくなった。


「ご注文はお決まりですか?」

「…(ヤバッ! 早く決めないと)」

「…クラブガニのクリームパスタ2つで」

「かしこまりました。」


ウェイトレスはメモ帳に書き込んだあと厨房の方に言ってしまった。
いつまでも決まんないからあきれて先に頼んでしまったのだろうか…。

しかし何故パスタを2つ頼んだんだろうか。
彼は二人前を食べるくらいの大食いなのか?


「クラブガニって知ってるっスか?」

「クラブガニ?」

「ここから南にある港で獲れるんスけどね。
今が旬のカニなんだ。」

「へー。」

「まぁ、とにかく食ってみればいいっス」


そう言うとクラウンはニっと笑った。
クラウンはパスタを2つ頼んだのは自分の分だけじゃなく、1つはヴェンラットの分だった。

クラウンは優しい。
昨日はじめてあったが彼は優しい。


「お待たせしました。」


ウェイトレスはパスタを2つ持ってきてくれた。





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