妖精の双竜

□第4話
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ナツが先に行ったため追いかけるご一行。
レンタルしていた魔導四輪はご丁寧に壊されていて、カップルが使っていたのを借りた。


けして、盗んだわけではない。

車内ではルーシィの隣にカゲヤマが座り、向かいの席にダウンしているシキとルナとグレイが座っている。


シ「……当分…乗り物は…いい…」
ト[今回はたくさん乗ったもんな]
ル「うぅぅぅう…」
シ[大丈夫か?]

ル「本当に辛そうね」
グ「強ぇのになんか拍子抜けだよな」

と話していると、

カゲ「なぜ…僕を…連れていく」

カゲヤマが話しかけた。

ル「なんでって、クローバーのお医者さんに見て貰うのよ」
カゲ「そうか…僕を人質にするのか…
無駄さ…エリゴールさんは僕なんか…」

シ[暗…]
ト[暗すぎるでしょ…]
ル「ウジウジしすぎ…」

猫2匹とルーシィが引いていると、

グ「だったら殺してやろうか?」
ル「ちょ、ちょっとグレイ!!」

グレイがカゲヤマに対してきつく当たった。

グ「もう少しさ前向いて行けよな。
お前ら全員さ」
ル「…いい、こと…言うじゃん…
うっ…」

ルナが感心していると、

ガッタンッ

ル「きゃあ!!」
グ「おっと!!」
シ「っ!!」
ル「ひぇっ!?」
ト[うわっ]
シ[っ!!]

魔導四輪が大きく傾いた。
ルーシィはカゲヤマの顔面に尻からいき、シキは何とか踏ん張りトーマとシンはシキとルナの服に捕まった。

ルナがバランスを崩すと、

グッ

グ「っと…大丈夫か?」

グレイがルナの肩を抱いて自分の方に寄せた。
それによりルナはグレイに抱きつく形になった。

ル「ご、ごめん…」
グ「き、気にすんな////」

ルナの顔が近くにあったからかグレイは顔を赤くした。

カゲ「ったくデケ尻してんじゃねぇよ」
ル「キャーセクハラよ!!グレイこいつ殺して!!」
グ「せっかく格好いい事言ったんだから台無しにすんなよ…」


シ「エル…ザ…大丈夫、か?」

シキは顔を外に出してエルザに話しかけた。

エ「あぁ、大丈夫だ」
シ「無理…すん、なよ」

エルザはシキに向かって笑みを浮かべると、また走り出した。




しばらくすると遠くから煙が見えた。
そこには上半身マフラーしかしていないナツが立っていた。

どうやら、エリゴールに勝ったらしい。


ル「ナツー!!」
ナ「おっ!!遅かったな!!」
グ「ったくこんな奴にボロボロじゃねぇか」
エ「流石だな」

全員ナツの所に寄ってきた。

グ「しかし裸マフラーって変態だな」
シ「よく服脱ぐ奴には言われたくないだろ…」
ナ「それもそうだな。
服貸してくれルーシィ」
ル「なんで私なのよ!!」
ル「それは無いよナツ…」

と話していたその時、

ギャララララッ

ナ「のわっ!?」
グ「あっぶね…動かすなら言えよな」

カゲヤマがいきなり魔導四輪を動かした。
しかも、

カゲ「残念だったなハエども!!
ララバイはここだ!!」
エ「しまった!!」

落ちていたララバイを拾うとそのまま走り出した。

ナ「あんのやろぉぉぉぉお!!!!!」
ル「なによ!!せっかく助けてやったのに!!」
エ「今すぐ追うぞ!!」

全員が走りだそうとすると、

シ「お前ら待てよ」
グ「なんだよ!!急がねぇと!」

シキが止めた。

シ「こっから近いからって走ってクローバーまで行くのか?」
ル「でもそれしか…」

すると、

シ「こっちの方が早ぇよ」
ル「えっ!!一体どこから」

目の前には1台の台車が現れていた。

シ「俺の魔法だ。
といっても動かすには風を起こさないとだがな。
ルナ、いいか」
ル「任せて!!」
シ「全員乗れ」

シキの一言で全員乗ったがナツだけ乗ろうとしなかった。
それを見たシキはフッと笑った。

シ「安心しろ。これは乗り物であって乗り物じゃない。
酔わねぇよ」
ナ「そ、そうなのか!!」

酔わないとしりナツはすぐに乗った。
全員が乗るとルナは鍵を出した。

ル「開け、畜生道の扉
ウィン!!」

出てきたのは、

ウ[お呼びでございますかマスター]

短い着物を着た礼儀正しい女の子が出てきた。

ル「急いでるの!!この台車を動かしてくれない!?」
シ「脱線しない程度にな」
ウ[かしこまりました]

ウィンは一礼すると大きな扇子をだした。
そして、

ウ[参ります!!]


ゴォォォォオッ


かなりの強風を起こし、


ギャララララッ


台車を動かした。
しかもかなり早い。

ル「ち、ちょっと早すぎない!?」
シ「これ位出さないと追い付かないからな。
ウィン、もっと早く出来るか?」
ウ[はい、シキ様。
はっ!!]


ゴォォォォオッ


ナ「すっげぇなぁ!!」
ル「でもシキ、なんでウィン?
白虎の方が良くない?」
シ「白虎だと勢いありすぎて脱線する」


そんなこんなでクローバーに向かったのだった。









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