離れた空
□標的:3
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それからリング争奪戦は進み雷はヴァリアーの勝利となった。
そしてその雷の守護者戦で相手のボス候補が戦いに加入したため反則とみなされ、大空のリングもヴァリアーのものとなったのだ。
そして今日は嵐の守護者戦だった。
ベ「こーはく♪」
「…ベル」
ベルが琥珀に笑顔で話しかけてきた。
ベ「今日、俺の戦い見にこねぇ?」
「……悪い…」
ベ「ちぇっ、つまんねーの」
「…ごめん…ただ、今あいつの顔を見ると…」
琥珀が拳を強く握り俯くとベルが慌てた。
ベ「じょ、冗談だぜ!!琥珀がいなくても王子が勝つのは決定事項だしな!」
「……悪い」
琥珀が申し訳なさそうに俯くとベルは何かを思いついたのかニヤッと笑った。
ベ「じゃーさ、王子がもっと頑張れるように琥珀が元気づけてくれよ」
「俺が?」
ベ「うししっ♪」
琥珀は少し考える仕草をすると、
スッ
ベ「っ!」
「頑張れ」
ベルの頭に手を置きそのまま撫でた。
思わぬ琥珀の行動にベルは顔を赤くした。
ベ「っ////琥珀それ反則だし」
「?よく分からんがこれでいいのか?」
ベ「しししっ十分♪」
それだけ言うとベルは準備のためにその場から離れた。
ベルの背中を見送ると琥珀は自分の部屋に戻った。
「……俺には…これぐらいしかできないから…」
琥珀はそのまま目を閉じて意識を飛ばした。
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