離れた空

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リング争奪戦を終えヴァリアーは謹慎を受けていた。
そして今ヴァリアーは日本支部から動けないでいた。
ツナ達と話をしてきて帰って来た琥珀は日本支部にある談話室にいた。


「………」


琥珀は談話室のソファに座り考え事をしていた。
その手には一枚の紙があった。


ベ「こーはく♪何してんだ?」
「ベル」


ベルが琥珀の隣に座って来た。
ベルは琥珀の持つ紙を見た。


ベ「なんだそれ」
「…これはある病院の住所だ」
ベ「病院?なんで」


琥珀はその住所を見て拳を握った。
そしてそのままその場を立ち上がった。


琥珀が向かったのはとある部屋だった。
そこにはヴァリアーの監視とスクアーロの見舞いにも来ていたキャバッローネファミリーのディーノがいる部屋だ。


「…跳ね馬、いるか?」
デ「おぉ、いるぜ」
「…失礼する」


ディーノが許可を出すと琥珀は部屋の中に入った。


デ「どうした?」
「…スクアーロの容態は?」
デ「あと数日も安静にしてたら動けるぞ。
安心しな」


そういうとディーノは琥珀の頭を撫でた。
しかし琥珀を少し撫でられるとディーノの腕を振り払った。


「……なんだ」
デ「わりぃわりぃ。
ツナの双子の兄ってのは本当みたいだな。よく似てる」
「…………」
デ「でもまぁ…ずいぶん丸くなったな。琥珀」



ディーノは優しいまなざしを琥珀に向けた。


デ「初めて会ったときはかなりとげとげしかったのに、今じゃこうやって俺に撫でられても平気だからな」
「………」


琥珀はディーノの顔を見ると恥ずかしそうにそっぽを向いた。


「…ヴァリアーのおかげだ」


そんな素直じゃない琥珀を見て、


ぎゅっ


「っな!!な、なんだ跳ね馬!!」



ディーノが抱き付いてきた。



デ「んだよお前〜〜可愛いとこあんじゃねぇか〜!!」
「なっ////は、はなせ!!」



琥珀がディーノから逃れようとしたその時、



ヒュンッ


「ッ!!」
デ「うおっ!!」


2人の間をナイフが通過した。
それによりディーノが琥珀から離れた。
すると、


ぎゅっ


「っ!!ベ、ベル…!」



ナイフを投げた張本人、ベルが琥珀の後ろから抱き付いてきた。


ベ「おい跳ね馬…何俺様の許可無しに琥珀に抱き付いてんだよ」
デ「あ、あぶねぇだろ!!ってかいいじゃねぇか別に!」
ベ「あぁ?ダメに決まってんじゃん。
だって俺、王子だもん♪」
デ「意味分かんねぇ!!」



と2人が言い合っていると琥珀がため息をついた。



「はぁ……俺を挟んで言い合いをしないでくれ」


琥珀が困っていると、



?「全く、何してるんだい」
「マーモン」


マーモンが琥珀の腕の中に入って来た。


マ「琥珀はなにか跳ね馬に用事があったんじゃないのかい?」
「あぁ…そうだ」
デ「そうなのか?どうした?」
「実は……」



琥珀はポケットから1枚の紙を出した。
それは先ほど談話室で見ていたものと同じだった。
それを受け取ったディーノは一瞬で真剣な眼差しになった。


デ「お前……」
「……話がしたい。
だからお前の許可が欲しい」
デ「………」


ディーノは琥珀の真剣な眼差しを見て固まった。
そして一回ゆっくり瞬きをした。


デ「……わかった。許可する」
「!!」
デ「ただし、条件がある」
「…なんだ」
デ「俺の同行付きだ。
それでもいいなら許可する」


ディーノが条件を出すと琥珀は静かに頷いた。


「むしろいてもらった方が助かる」
デ「分かった。なら行くか?」
「あぁ…用意してくる」


琥珀はそういうと部屋を後にした。
ベルとマーモンも琥珀の後について行った。


ベ「琥珀、どこに行くんだよ」
「……ある病院だ」
マ「病院?誰か知り合いがいるのかい?」
「……あいつに…沢田家光に会ってくる」
2「っ!?」


沢田家光という名前を聞きベルとマーモンは驚いた表情を向けた。


「…これを気に、向き合わねぇとな」



琥珀は2人と分かれると準備をしてディーノが待ってる車に向かった。






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