恋桜

□第1話
1ページ/2ページ

1人の少年はとある戦いで重症を被った。
病院で寝ているとその少年の意識はなんと幕末の時代に飛んでしまったのだった。


そこで少年は浅葱色の羽織をはおった[新撰組]に出会ったのだった。


少年…一ノ瀬翡翠は己の能力を見られ殺されると思ったらしいが、受け入れてもらえそのまま新撰組にいたのだ。


そこで翡翠は斎藤一という男に出逢い、そして2人は互いに惹かれあったのだった。


恋仲となった2人は危険な日々の中で幸せを育んでいたのだ。


しかし、突然の奇襲に幸せは消えたのだった。


新撰組も壊滅状態になり、翡翠は斎藤の手を引いて林のなかを走っていた。
しばらく走っていると、


ドサッ


斎「っ!?翡翠!!」


翡翠がその場に倒れたのだ。
斎藤は翡翠にかけよって抱き起こした。


「っ…は…じ、め…お前は…に……げろ…」
斎「っ!?駄目だ!!翡翠も一緒に…!!」


翡翠は脇腹に深い傷を被っていた。
その時、


「っ伏せろ!!」
斎「っ!!」


ピキィンッ
ドドドドッ


翡翠は斎藤を伏せさせて氷で壁を作り出した。
すると四方八方から銃弾が飛んできた。
林のなかから次々と幕府の人間達が銃を持って出てきた。


「っ…さが…て、ろ…」
斎「っ翡翠!?」


翡翠は斎藤を氷で出来た壁で包み込み傷を被った体を無理やり起こして双剣を持った。
斎藤はなんとか出ようと壁を壊そうとしたけどなかなか壊れなかった。


そして、



ドドドドッ



斎「翡翠!!!!!!」


翡翠の体を無数の弾丸が貫いた。
だがそれと同時に幕府の人間達も翡翠の放った攻撃に当たり全滅した。
周りに誰もいなくなったのと同時に氷の壁が消えた。


斎「翡翠っ翡翠!!」


斎藤が翡翠の体を揺するが翡翠はもはや虫の息だった。
そんな中でも翡翠は必死に斎藤に話した。


「は……め…お……れ、は……お………ま、え……にあ…え……て……っか……た」
斎「っお…れだって……翡翠に会えて…よかったっ…」
「は…じ………ぁ……い……」


翡翠が何かを斎藤に伝えようとしたがそこで息を引き取ったのだった。


斎「翡翠…?嘘だっ…翡翠っ…翡翠!!!!!」


斎藤は必死に声をかけるが翡翠は何も反応しなかった。


斎「うあぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」



林のなかに斎藤の悲痛の叫びが響いたのだった。




こうして一ノ瀬翡翠の幕末での生が終わったのだった。






.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ