赤い糸

□第8話
1ページ/1ページ

───中学を卒業し、高校に入学した。


その時期は春いっぱいの匂いで
僕の心臓をドキドキさせる。

ピンク色の桜の花びら達が僕達、一年生を新しい学校招いているかのように
門のまわりを舞っている。



「やっと高校生だぁ!!」


1人で舞い上がってると、見知らぬ人(おそらく同級生かな)が僕をみてクスクス笑っている。


うっわぁ!!恥ずかしいっ
浮かれちゃってる!



恥ずかしい思いをしていると、


「あっはっはっ!!ジュンス馬鹿じゃん!」


僕の真後ろでだれか笑い転げてた。








振り向かなくてもわかる。

僕の毎日毎日聞く、聞き慣れた声だから。



「ひどいっ、ユチョンッ!!」



まだ爆笑し続けているユチョンに僕はむっとする。


「ふふっジュンス浮かれすぎでしょ!」


「なっ!いいじゃん!念願の高校生なんだもんっ」



いっぱい勉強して、勉強して、
やっとの思いで希望の高校に合格できた。
こんな嬉しい事は人生にめったにない。



だって…



だって、





──またユチョンと一緒にいられるんだもん。







入学式早々初めての高校HRが終わり、
僕ら1年生はすぐ帰宅しなければならなかった。

運悪く、ユチョンとクラスが離れてしまった僕は不安でいっぱいだったのに
ユチョンの顔を一目みただけで、僕の緊張はどこかへ行ってしまった。












───………。


『ジュンス〜』


『ん〜?』


『俺さぁ』


『ん?』


『…。』


『なに、ユチョン?』


『やっぱなんでもな〜い』


『なんだよそれー』


『ふふっ』










それが、


それが僕とユチョン




僕ら


……最後の親友の会話だった。











そのとき、ちゃんとユチョンの話聞いとけば
未来は変わっていたのかな。






Continued…。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ