感謝企画!

□春うらら夢主になついたのが、仁王ではなく赤也だった場合
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最近、お昼休みになるとクラスに突撃してくる後輩がいる。1年生の切原赤也くんだ。今年の春、ひょんなことから彼と知り合い、それ以降なぜか異常になつかれてしまった。

「せーんぱーい!お昼一緒に食べましょー!」
「………」
「…切原くん来たよ」
「………うん、わかってる……ハァ」
「アハハ、いってらっしゃい」
「いってきます…」

ハナちゃんに手を振りながらお弁当を持って席を立ち、キラキラした笑顔を撒き散らしている後輩に近づく。

「切原くん、あのね毎日言ってるんだけど……大声でお昼に誘うのやめてくれないかな?」
「えー、いいじゃないッスかー。そんなことより早く飯行きましょ!」
「あ、ちょ、こら!」

私の小言を軽く聞き流し「今日は外だと雨が降りそうなんでテニス部の部室で食いましょう」と腕をグイグイ引っ張って歩く切原くんに溜め息をつきながら「部室に部外者入れて大丈夫なの?」と声をかける。

「大丈夫ッス!幸村部長が『使いたかったら使っても良い』って言ってたんで」
「へぇー」
「今日の弁当は何なんすか?」
「オムライスだよ」
「うわ!良いッスね!俺の弁当と交換して下さい!」
「えー、やだ」
「えぇ〜」

なんてグダグダ話していたら、部室に到着。
テニス部の部室なんて初めて入った…。意外に綺麗に片付いてるなあ。ジャッカルさんとか柳生くんが片付けているんだろうか。あ、トロフィーとかもある。うわぁ、凄い数だ。
もの珍しさにキョロキョロしていると、ぐぅううううぅぅ、と盛大にお腹が鳴る音がしたので切原くんに視線を向ける。

「……すごい音だね」
「も〜…トロフィーとかいいから早く飯食いましょう」
「あ、ごめんごめん。そうしようか」

恥ずかしそうにお腹を撫でる切原くんに謝りながら席につき、パカリとお弁当を開く。我ながら美味しそうだな、とオムライスを眺めていると向かいの席から視線を感じる。

「……なに?」
「オムライス…一口だけ下さい!」
「えぇぇ……一口だけだからね」
「やりぃ〜!」
「はいどうぞ」
「え」
「え?」
「あーんってしてくれないんッスか?」
「そんなんするわけない」
「ちぇ〜」

ぶつぶつと「あーんしてくれると思ったのに」とか言いながら私から受け取ったオムライスを食べる切原くん。私の三口分はありそうな量を一口で頬張り「うんまいッス!」とご満悦そうだ。

「お口にあってなにより。ていうか、頬張りすぎ」
「へっへ〜」
「……仕返しにこのウィンナーは頂く!」
「あぁ!ヒドイッス!」
「へっへ〜んだ」

奪ったウィンナーを咀しゃくしながら切原くんの顔を見ると頬にケチャップが付いていた。

「切原くん、ケチャップついてるよ」
「え、どこッスか?」
「ここ」
「ここ?」
「違う。もうちょい右。……あ、行き過ぎ」
「ここ?」
「違う。行き過ぎ。あ、通りすぎた」
「……」

自分ではなかなか拭えないようなので、行儀は悪いがテーブルに身をのり出してティッシュでゴシゴシとケチャップを拭ってあげる。
……ちょっとお節介だったかな。なんか切原くん大人しいし、嫌だったかも。と少し不安に思っていると小さい声で「ありがとう…ございます…」と聞こえてきた、

「ううん全然良いよ。こっちこそなんかごめん。嫌だったよね」
「ぜ、全然そんなことないッス!」
「そう?………ていうか、顔赤くない?大丈夫?」
「え、いや、これは、その…」
「?」
「………だぁぁ!もう!先輩!」
「え、どうしたの」
「俺!実は先輩のこt「なんだ、いたのか」

切原くんが突然大声で何かを言おうとした瞬間、部室のドアがガチャリと開き、柳さんが入ってきた。

「………」
「あ、柳さん。すみません、お邪魔してます」
「……いや、邪魔をしたのは俺の方だな」
「は?」

何故か項垂れたようにテーブルに突っ伏す切原くんに近付き、ポンと肩を叩く柳さんを見ながら、なにが邪魔なんだろう?と思いつつオムライスを口に運んだ。




おまけ

「すまない、赤也」
「…………大丈夫ッス」
「え、なんかあったんですか?」
「ああ、赤也がお前に告h「うわああああ!ダメダメ!ダメッスよ!」
「ちょ、切原くんうるさい」
「えぇ………ちょ、そんな……」
「えぇ?そんな落ち込む?」
「赤也は今デリケートなんだ。優しくしてやってくれ」
「はぁ…?」



エンド!

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