感謝企画!

□もし春うらら夢主が四天宝寺に転校したら
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大阪に引っ越し、四天王寺に転入して早一年。最初は上手く周りに馴染めるかとか、何か面白いことをしなければいけないのだろうかとか、話にオチがないと怒られるのだろうかとか不安だったが、意外とそんなこともなく普通に暮らしている。まぁ、みんなデフォでボケたりツッコミしたりするから戸惑うこともあるが、それを私に強要してくることはないので大丈夫。みんな優しい。困っていると「ここでこいつ助けたらオイシイ」的なノリでみんな助けてくれる。ありがたい。私もここで暮らしていくうちにこんな風になるのだろうか。




「ありがとうございます!」
「どーいたしまして!」

にこにこにっこり。笑顔満点で私の横に立つこの子は遠山金太郎くん。つい先ほど知り合った男の子だ。
クラスメイトから美味しいタコヤキ屋さんの話を聞き、書いてもらった地図を片手に探しに来たのだが道中迷子になってしまい途方に暮れていたところ、同じ目的地に向かう遠山くんに「ねーちゃんどないしたん?」と声をかけてもらって、ようやくタコヤキ屋さんに来ることができたのだ。
遠山くんには感謝しなければならない。…それにしても、高三にもなって迷子になるって私って…。方向音痴なのだろうか…。と少し落ち込んでいると、横から「あぁ!百円足りへん!」と悲痛な叫び声が聞こえてきた。
視線を向けると遠山くんが今にも死にそうな顔をして財布を見つめていたので、自分の財布から百円玉を取り出す。

「はい、どうぞ」
「え!」
「案内してもらったお礼です。どうぞ」
「ほんま!?もらっていいん!?」
「はい。どうぞ使って下さい」
「ねーちゃんおおきに!」

おっちゃん、タコヤキ一つ!と嬉しそうな遠山くんの姿に思わず私も口元が綻ぶ。良かった。お礼が出来たみたいだ。遠山くんの後ろに並んで私もタコヤキを注文すると、一足先にタコヤキを手にした遠山くんに「一緒に食べへん?」とお誘いを受けたので笑顔で了承して、二人でベンチへ。

「「いただきまーす!」」
「…お、美味しい!美味しいですね!」
「やろォ?ここのタコヤキほんま最高やねん!」

二人揃ってにっこり笑い合う。美味しいものって素晴らしい。こんなに笑顔になれるとは。まぁ、遠山くんにつられて笑顔になってる部分もあるけど。この子の笑顔ってすごい。つられて笑ってしまう。
頬にソースをつけた遠山くんがあれやこれやと話しかけてくれるのでお喋りしていると、色々なことがわかった。実は同じ学校であること、遠山くんは高一であること(これにはビックリした。中学生だと思ってた。ごめん。)、テニスが大好きなこと。
笑顔で色々話してくれる遠山くんに私も笑顔で相づちを打つ。遠山くんはテニス部の人達が大好きなようで部員の人たちの話もたくさんしてくれた。スピード命の人がいること、お笑いテニスをする人がいること。その話の中でおかしな単語が混じっていた。

「でな、白石がすぐ怒ってくんねん。毒手や〜って!」
「ど、毒手…?」

話の途中だが思わす首をかしげる。毒手ってなんだ。そんな中二病なこと言ってる人がいるのか。というか遠山くんはそれを信じてるのだろうか。純粋過ぎる。大丈夫かな…ちょっと心配だ。それに、白石という名前に聞き覚えが…。クラスメイトのもの凄いイケメンがそんな名前だった気がする。そういえばあの人腕に包帯巻いてたような…。いや、違う違う。高三にもなってさすがにそれはない。うん、あるわけない。

「今度そこのお好み焼き屋一緒に行けへん?」
「え?」
「めっちゃ美味いで!一緒に食べよ!」
「あ、はい。そうですね。一緒に行きましょう」

私が考え事をしている間にお好み焼きの話に戻っていたようだ。聞いていなかったとバレないように、それとなく話を合わせてお好み焼き屋に行く約束をする。ついでに携帯番号も交換した。美味しい食べ物屋さんを色々教えてくれるそうだ。私も美味しいクレープ屋さんなら教えれると伝えておいた。
にこにこしながら「学校でも仲ようしてな!」と話す彼に「こちらこそ」と返事をしながら、弟ってこんな感じなのだろうかとボンヤリと思った。


おまけ

「そうや!お好み焼き屋白石たちと一緒に行けへん?」
「えっ。いや、それは……遠慮します」
「えー!なんでー?」
「いや、ほら、知らない人だと緊張しますし」
「みんなで一緒に食べた方が美味いで?」
「う、うーん……でも、ちょっと、ね?」
「……よっしゃ、わかった!ほな、行く前にみんなのこと紹介したるわ!それでいけるやろ?」
「いえ、それも遠慮します」
「なんで!?」


エンド!


金ちゃん可愛いよー!*\(^o^)/*変な人には関わりたくない夢主と自分の好きなものをなんでも紹介したがる金ちゃん!ここから徐々にテニス部と繋がる感じ。

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