春うらら.

□第四十七話
1ページ/2ページ

結局、仁王さんには「ありがとう(デコメ)」と返信。「名無しちゃんがデコメとか!珍しい!(´∀`)」と何やら嬉しそうな返事に、なんだかホッとした。
最近仁王さんによくドキッとさせられるなぁ。と考えている間に冬休みに入り、大掃除をして、紅白を見ている間に年が明けた。
両親と祖父母に挨拶したり、お節食べたり、お餅食べたり、ゴロゴロしたり、ぐーたら過ごしていたら仁王さんからメールが届いた。

『暇じゃったら初詣行かん?』

初詣かぁ…。うーん、寒いから炬燵から出たくはないんだけど、出店のタコ焼きとかフランクフルトとか食べたいなぁ…。うーん、どうしようかなぁ…。
炬燵に潜りながら悩んでいると、母に「ダラダラしてるんだったら手伝って」と言われてしまった。
お手伝いなんかしたらこき使われるのが目に見えてるから嫌だ。ここは初詣に行く方が良い。断然良い。
母に「友達と初詣に行くから無理」と言いつつ、仁王さんに『行く』と返事をして、炬燵から出た。






「明けましておめでとう」
「おめでとうさん 」

待ち合わせ場所ですでに待っていた仁王さんと新年の挨拶を交わしてキョロキョロと辺りを見渡していると、仁王が口を開いた。

「どうしたん?」
「いや………丸井さんとかは?」
「呼んどらんから来んよ」
「え」

丸井さん来ないの?…てっきり丸井さんとかジャッカルさんとかがいるのかと思ってた。……え、ということは仁王さんと二人…?え、マジで?

「……嫌じゃった?」
「えっ。あ、いや、そんなことない」
「……」
「本当だって。ちょっと予想外だっただけ」

眉毛をハの字にしてションボリする仁王さんに弁解する。
ちょっと最近仁王さんにドキッとすることが多いから二人だけどちょっとドギマギしそうだな。とか、いつも通りに接することできるかな。とか私が勝手に不安に思っているだけなので、仁王さんは悪くない。

「…ほんま?」
「うん、本当」
「良かった」

へら、と笑う仁王さんに私もへらりと笑い返して「んじゃ、そろそろ行こうか」と 二人並んで歩き始めた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ