短編
□少女と(不)愉快な世界環境
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『少女と(不)愉快な世界環境』
それはいつか何処かの最初の話。私はあるゲームにはまっていた。
それは、何万人のユーザーと闘い、自分のアバターを育て上げて、神様と成るだけのオンラインゲーム。
私はあと少しで女神に成ろうとしていた。
私は本名の金衣 古芽音(カナイノ コガネ)っていう名前をもじって黄金と言うアバターをつくって参加していた。
私は今の世界環境が嫌いで、不愉快だった。私と言う異端をことごとく排除しようとするので、私は部屋に閉じ籠った。
そして、このゲームにはまってリアルから遠ざけた。電子の世界は私に仲間をつくり、闘いを求めた。世界環境が変わった気がした。
でも、あんまり楽しくない。世界環境は不愉快なまま、私はのしあがり神様に成った。
神様に成った私は白い光を浴びて現実から消えた。世界を見守る立場に成ったんだけど、世界はやっぱり不愉快だった。
なんで平和を望んでいるのに、争いが起こる?なんで平等をうたうのに、差別は起こる?なんでこんなに世界は汚いのだろう。
私は白い世界でそれを見ていた。すると透明な神様が私に言うのだ。
「あなたがこの世界の神様と成るのです。」
こんなに汚れている世界を私にどうしろっていうのだろう?
あぁ、不愉快だけど愉快な気持ち。
私がさ、神様に成ったっていうなら、この世界を壊して新しい世界をつくってしまえばいい。
私は知りたくなった。世界の終幕を、個人の世界を知りたくなった。
だから私は世界に手紙を送ろう。
いつかきっと心の何処かで望んだ答えを求めて…。
「あなたの世界の終わりはなんですか?」
でも、彼女は知らない。この世界は彼女のせいでループすることを、彼女の手紙がすり変わることを、彼女のせいで世界が擦りきれることを、彼女は知らない。
「あなたは世界の終幕を望みますか?」
黄金なる者は、
彼女はまだ知らない。