きっちんたいまー

□〜REBORN〜
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「ナギだ!」


「みんな、ナギがいるよ!!」


「こんにちは、ナギ」


「ねぇねぇ、僕強くなりたいんだ。ナギ、僕に剣の使い方教えてよ」


「僕にも教えてぇ」


小さな子ども達は、ナギを見つけると一目散に駆け寄って、ナギにまとわりついた。


いつの間に、こんな小さな友達が出来たんだろう?


私は首を傾げながらも、微笑ましい光景に目を細める。


ナギは楽しそうに笑いながら、子ども達に向かって言った。


「…あぁ。じゃあ早速稽古する。来い!」


「やったぁ、僕いっちばん!」


「じゃあ僕が2番だっ」


「あー、ずるいよお」


騒ぎ出す子ども達。


ナギは首を動かしコキコキ鳴らすと鎖鎌を構えた。


「ケンカすんじゃねー。全員かかってこい。まとめて相手してやる」


「ええっ。ナギ、相手は子どもだよ?!お手柔らかに・・・ね」


私が声をかけるとナギは『わかった』と軽く右手を上げた。






しばらくは楽しげに遊ぶ声が森に響き渡っていた。


私はその間に、ナギにもらった向日葵の種をせっせと植える。


そろそろ喉が渇いたかな?


ナギと子ども達に冷たい飲み物を用意しよう。


そう思って立ち上がった瞬間、嫌な音が耳に飛び込んで来た。




ザシュッ




……え?


私は慌てて振り返る。


そこには・・・血にまみれた子ども達が。


ナギの足元に重なるように倒れていた。



ナ、ナナナナナギ!?ま、まさか…



ガクガクと足が震える。


ナギに駆け寄りたいのに、体が動かない。


悲鳴をあげることすら出来ず、私はただ茫然とそれを見ていた。



「…このガキ。可哀想にな」



息絶えた子どもを見下ろしながら、ボソッとナギが呟く。


その顔から表情は読めない。


どうして?


どうして?


どうして・・・こんな・・・こんな酷いことを・・・?



ぐらり。



景色が回りだす。


信じられない、信じたくない。





誰よりも優しいナギ。


人の幸せばかり考えてるナギ。


私のナギ。


大好きなナギ。




なのに。




子どもの返り血を浴び、そこに立ち尽くすナギが。


ただただ、


無性に、


怖かった―






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