琥珀色の瞳の章
□ひとりじめ
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5月になり、日中は汗ばむことも多くなった。
薄着になったナギの熱い胸板と逞しい腕に、○○○はついうっとりと見蕩れてしまう。
「どうした?」
「ううん、何でもない」
不思議そうに自分を眺めるナギに、○○○はひとり赤面する。
「それにしても暑いな。ヨーグルト食うか?」
ナギが冷蔵庫を覗き込んで言う。
「食べたい!」
思わず大きな声を上げた○○○に、苦笑しながらナギが小瓶を手渡した。
「いただきまーす」
大好きなヨーグルトを夢中で食べていると、ふと視線を感じ○○○は顔を上げる。
そこにはじっと○○○を見つめるナギの瞳。
「……?」
「何だか猫みてーだな」
「へ?」
「あ、いや…何でもねーよ」
慌てたように視線を外すナギ。
○○○もなぜかドキドキしてしまい、目をあちこちに泳がせる。
ふっと空気が動き、ナギが○○○の体を抱き寄せた。
「今の顔、すげぇ可愛かったから…」
「ナギ…」
ナギの腕の中で、○○○は世界中の幸せを独り占めする。
「○○○、俺のそばにずっといろよ」
甘い吐息が○○○の耳をくすぐった。
end
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