きっちんたいまー

□〜REBORN〜
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ナギの額から汗が流れた。


太陽の光に反射してキラキラと光っている。




真っ青な空の下でも、森の空気はひんやりしていた。


でもひとりで木を切り倒し、斧で割り、ログハウスの材料を作るナギには暑いんだろう。


「ナギ、私も手伝おうか?」


「いい。そこに座ってろ」


「でも・・・」


「こんな力仕事、お前にはさせられねーよ」




いつだってナギは優しい。


自分のことは後回しにして、人のことばかり考えている。




「汗ぴっしょりだね」


「ああ」


私は持っていたタオルで、ナギの顔や首筋を拭いた。


「サンキュ」


ニカッと笑う笑顔がすごく眩しい。


シリウスにいた時も。


シリウスを降りた今も。


ナギとずっと一緒にいるのに。


それでもやっぱり、何だかドキドキしてしまう。


「後は組み立てるだけだな」


「すごい!ナギって何でも作れちゃうんだね!!」


ナギの手際のよさに、私は思わず感嘆の声をあげる。


そんな私をちょっと照れくさそうに見ると、ナギはログハウスを組み立てに行ってしまった。




「もうすぐ完成だ」


「うんっ」


あれから3日も経たないのに、ログハウスは完成間近。


ナギは陽に焼けて綺麗な小麦色になっている。


私は、冷たい飲み物やタオルを用意することぐらいしか出来ない。


それでもナギは『お前が手伝ってくれるから仕事がはかどる』って言ってくれる。


ナギのあたたかさが心に沁みた。



「ここにいっぱいお花が咲いたら素敵だろうなあ」


「・・・あるよ」


「へ?」


「○○○、手を出してみろ」


そっとナギに差し出した右手。


ナギはそこに向日葵の種を乗せる。


「好きなだけ撒け」


「ありがとう、ナギ!!」


喜ぶ私の頭をナギは微笑みながらポンポンと撫でた。




ぱたぱたぱたぱた・・・


たくさんの足音。


にぎやかな話し声。


これは・・・子ども?





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