豪円♀小説手帳

□必ず
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気がついたら、俺は真っ白な空間にいた。
(ここは何処だ…?)
そう思って辺りを見回すと、
「円堂…。」
近くに、最愛の恋人が立っていた。
おもわず頬が緩み、近寄ろうとした。
だが、近寄れない。
「え…?」
歩いても走っても円堂との距離は一向に縮まらない。
手を伸ばせば届きそうなところにいるのに、触れることも出来ない。
俺は混乱した。
それを見て円堂は哀しそうに笑うと、口パクで何かを言った。
「 」
「何だ?」
聞き取れない。
もう一度聞き返そうとしたが、円堂の体が淡く光りだした。
俺はギョッとして目を見開いた。
円堂の体が足から消えてきていたのだ。
「円堂!?」
叫ぶと、円堂はさっきより大きく口を開けて言った。
「た す け て」
「助けて?」
俺がそう言うと、円堂はコクンと頷いて続けた。
「は や く」
円堂はそれだけ言うと、ニッと笑い消えてしまった。
真っ白な空間に俺だけが取り残される。
「円堂?円堂おおぉぉぉ!!!!!!」
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