豪円♀小説手帳
□相合い傘
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部活が終わった後、円堂は鉄塔広場でいつものように特訓をしていた。
「うりゃあぁぁぁ!!」
勢い込んでタイヤを投げる。
ブンッ
タイヤは大きく弧を描き…
ドーーン
円堂は、戻ってきたそれをキャッチした。
「ッ〜、ビリビリくるぅ!!」
そう言ってもう一度投げる。
それが何度も繰り返される。
そのとき、急に空が陰った。
空を見上げると、真っ黒な雲が空を覆っていた。
「うわ、雨降りそう…。」
円堂はそう言うと、慌てて帰り支度を始めた。
「あー、もう服はユニフォームのままでいいや。タオル、水筒、グローブ…。よしっ!!」
円堂はカバンを肩に掛けると階段を駆け下り、家路についた。
走って走って河川敷辺りまできたとき―――
ポツ
ポツ ポツポツ
ザアアアアアアア
雨が降って来た。
「うわ、やっべぇ!」
円堂はカバンを頭にのせ、鉄橋のしたに駆け込んだ。