BASARA 長編

□あの日の約束(前)
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「お母様!お母様!」

「…何かしら」

「見てください!この花束、お母様にと摘んできました!」

「やめて頂戴汚らわしい。早く片付けていらっしゃい」

「…スイマセン」





   ***

「ねぇ!!遊ぼう!」

「…ゴメン」

「え…?」

「竺丸?何処なの?」

「はい。お母様。此処に。」

「まぁ!そんな所で何しているの!病気がうつるわよ!!」

「スミマセン。お母様。」

「・・・・・・」





   ***

「俺、政宗様の子守になっちまった・・・」

「おい、聞こえるゾ」

「だが確かにそれは残念だな」

「だろぉ…?」



―――――――――ビシャッ

「何度言ったらわかるの。その汚い顔を表に出さないで頂戴。」

「・・・・・」

「返事もできないのッ!?」

――――――――バチンッ

「…!…スミ、マセン」

「ふんッ!あぁ汚い。」

「・・・・・」



「どうして・・・・?僕だって、好きでこうなった訳じゃないのに・・・・」



「政宗様。失礼しますよ。

 私は本日をもってお暇を頂きます。そんで、これから貴方の世話はこいつが引き受けるんで。

 今までお世話になりましたー。」

「・・・・」

「チッ。愛想のない奴。おい、軽く挨拶しとけ。」

「は。本日より貴方様のお世話係をさせて頂く

    片倉小十郎 と申します。」

「…宜しく。」

「じゃ、後は頼んだぜ」

「承知。」

「・・・・・・」

「えぇと、政宗様」

「?」

「失礼ながらそ、の眼は…」

「・・・・」



――――――シュル、シュル



「…ッ!」

「お前も、噂には聞いてただろ?病気なんだ」

「・・・・・」

「気味悪いだろ。目玉が飛び出てるなんて。」

「いえ、そうではありません 「何だよ…嘘つくなよ!

 正直に気持悪いって言えばいいだろッ!」

「まっ!政宗様ッ!」
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