銀魂 長編
□女の男
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「おい、飲んでるか?」
顔を真っ赤にした土方副長が寄ってきた。
「いえ。一応仕事中なんで」
「クソ真面目だなぁ…」
この人、相当酔ってるよ…
僕の頭をグシャグシャ撫でた。
「もう勤めは終わったんだから飲めよ?」
「いえ、確か未成年だったと思うので」
「ふーん?」
そしてまた「銀さん」とやらの所へ行った。
「ちょっ…副長…」
相当な千鳥足。
転んで怪我なんてされたらみっともないし…
***
「あぁ?お前横の奴誰?」
「ん?この春入った夜翔だ」
一応頭を下げておく。
「へー…何か新鮮なタイプじゃね?新選組には」
「まぁな、数少ない真面目君よ」
「だろう…なッ!」
グイッと焼酎一瓶飲み干す。
負けじと副長も飲んでいる。
「あぁあ。トシは普段飲まんから万事屋にゃ負けんだろぉ明日二日酔い決定だなこりゃ。」
近藤局長に言われたらおしまい。もう負けは確定なんだから止めればいいのに。
「ま、楽しそうだから構わんか!」
…そういうものだろうか
***
…ただ、そろそろシャレにならなくなってきた。
時間的にも深夜をまわって、110番が入ったっておかしくない(警察のくせに)
それにこのままアルコール量が致死量超えるんじゃないか?
「副長、帰りましょう」
「Ah?俺はまだ行ける!」
何がAh?だ。筆●とキャラ混ざってんじゃねぇか。
「帰りましょ。これ以上飲んだって病院に運ばれるだけですよ…?」
「るせぇ!普段の鬱憤を…!」
―――――ゴッ
「すみませんでした」
後ろで吐きそうになっている「銀さん」に頭を下げ、頭にコブの出来た副長を担ぎ車に連れていく。
「よぉ、そいつに楽しかったぜって言っといてくれや」
「…はぁ。」
***
「うぇ…気持悪ぃ…」
「馬鹿ですねぇ土方さん。酒弱過ぎでさァ」
「るせぇ…ヴッ…」
「さっさと車乗ってくだせェ」
「いい。風に当りながら帰るわ…」
はぁ。一手間省けた。このまま帰ろう…
「夜翔君。トシだけじゃ心配だ。ついて行ってくれんか?」
「・・・・」
嘘だろ
***
「何でついてきた」
「局長からの命令なので」
「チッ、余計な事を…」
「・・・」
僕だって好きで歩いて帰ってる訳じゃない。
アンタのわがままにつき合わされてんだ。
「ふぁー!酔いも冷めたし帰るか…」
フラフラな足で言わないで頂きたい。
「おっと…ッ」
「危ね…」
「あー悪ィ」
「もう…」
大の大人担いで帰るのも一苦労だが
「何、すんだ…ッ!?」
「面倒なので、このまま担いで帰ります。」
ふらふら歩く男の後ろ着いていく方がよっぽど面倒でダルい
「はぁ!?」
五月蠅いのも、面倒なのも苦手。
「早く帰って、さっさと寝てください。」