短編

□安心
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現在の時刻、PM4:00を少し回ったところ。
シエスタを終えてトーニョのトマト収穫を手伝って大体1時間が経つ。
いつもシエスタのあとはすっきりして眠気が残ることはないけど今日は違った。
いつまでも眠気が取れず、収穫の手伝いをしているときに何回もあくびが出ては目尻に溜まった涙を拭いての繰り返し。
そんな私を見かねてなのか、トーニョが休憩を取ってくれて家と畑とを繋ぐ日本で言えば縁側のようになっているところで休憩。



「なんや、***眠いん?」



***らしくないなぁ〜と笑うトーニョに少しね、と返してしょぼしょぼする目を擦った。



「ほんなら俺の肩使うてええよ」
『え、いいよ。大丈夫』
「ええから。な?」
『・・・じゃあ』



遠慮なく。といって寄りかかると頭に手を回されて撫でられた。
こうしたかっただけなんでしょ?と茶化そうと思ったけど、トーニョの大きくて温かい手に撫でられるのが心地よくてそっと目を閉じる。
太陽の暖かさと撫でられてる心地よさにプラスして、鼻腔を掠めるトーニョの匂いに安心感を抱きながら意識が遠ざかるのが感じる。




間もないうちに***から規則正しい寝息が聞こえてきた。
そっと顔を覗き込むとなんや幸せそうな顔で寝とるやんなぁ。こっちまで幸せになってくるわ。



「ホンマ、かわええ子」




 


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