BOOK1
□覚えてない
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YOU.side
クリスに腕枕をされていたが、夜中になんとなく目が覚めてしまった。
起きてるには早すぎる。
もうひと眠りはできそうと思ったけれど…
ぜんっぜん眠くない。
完全に目が覚めてしまった。
(ん〜・・・・と、あった…)
私はクリスを起こさないように慎重にサイドテーブルに手を伸ばして携帯を取る。
明日の予定でも確認しようと画面をつけたとき
携帯がシュッ・・・て。
手から抜けた。
「・・・クリス…ごめん…起こしちゃった?」
私の携帯はどうやらクリスに取られたらしい。
まだ眠いのかうっすらあけた目で私を見て、携帯をサイドテーブルに戻した。
そして腰にまわされた、クリスの大きな手。
「携帯に構ってるくらいなら俺に抱きついてろよ…」
眠そう…だけどあまっとろい声。
私は素直にクリスの背中に腕をまわすと、クリスは満足したように笑って
「よし、いい子…」
ちゅっ…と私のおでこにキスをして眠りについた。
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