キミと俺との恋愛事情。

□隠している理由
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〜紗雪視点〜



…取り敢えず、良かった…。

今日は、拓人は放課後も委員会で長くなりそうだからって帰りは別々に帰った

ちなみにサッカー部はコート整備があるとかなんとかで(明日も)休みらしい。

最近、何か委員会が忙しいって言ってたから多分最低2日ぐらいは別々になると思う

その間、拓人が1人で大丈夫かな…と心配になる反面、私の身体の傷が少しでも治るといいな…なんて、思ったりもする



私は2階の自分の部屋からベランダに出て風にあたった。

ここは、自分の家の中で最も好きな場所って言うのかな…何も考えずにただ外のいつもの風景をぼーっと眺めておける

今のこの時間帯は特に。

涼しいくらいで、夕焼けの空が段々暗くなっていき、星が輝きだすまでをじっと見ていられる


…でも最近は、拓人とずっといたから、こんな時間にここでのんびり出来ることなんて滅多になかった

ふぅ…、…やっぱり落ち着くなぁ…。



「…あ、1番星、かな…?」



私の呟いた言葉は誰にも届くことなく消える

………。

でも、いくらここが静かで落ち着くとは言え…やっぱり1人は寂しいな…。


お母さんもお父さんも私が寝てる時間帯…夜遅くに帰ってくるし…

だから1人暮らししているも同然…



まぁ、そのお陰で、この腕の傷とかもバレてないからいいんだけどね



「くっそ〜〜、せっかくの部活休みを…霧野先輩のばぁーか!!! 今度ぜってー何かおごらせてやる!!」



そう言いながら向こうから速足で歩いている見覚えのある男の子



「……狩屋君?」



印象的で綺麗な水色の髪が私の家の前まで来た時、声をかけてみた。

ちょっとビックリするかな…?

すると彼は立ち止まって後ろを振り返っていた



「…?…今、俺の名前呼ばれた気がしたんだけど…あれ?」

「狩屋君…!上だよ上!」

「え、上? ……………。」



狩屋君が上を向くと私とばっちり目が合う。

すると、何故かこっちを見たまま目をぱちぱちしていた



「………武藤先輩!!!!!??」

「そうだよー。武藤だよー」



狩屋君の反応の面白さに笑いながら返事を返す

ちょっとビックリどころか、かなり驚かれました




第二章「隠している理由」END
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