紅い月−少女の涙と鈴の音−
□MISSION*01
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MISSION*01(序章)
真っ暗な夜空の中、まん丸とした満月が地面を照らす。
皆が寝静まった頃の時間帯。
…丑三つ時。
ある校舎から不気味な声が聞こえていた。
その不気味な声が響く校舎──立海大付属中に向かって入っていく一つの影。
影は校舎の目の前に立つと、空にぽつりと…妖しく光っている満月を見上げた。
影は妖しく照らす満月の光に当たり姿をはっきりと見せた。
「…今夜は月が紅いな。道理であやかしの気配を強く感じる。」
──紅い瞳をした少女。
透き通るような冷たい声。
生ぬるい風が彼女の頬を撫でて、長い漆黒の髪を靡かす。
彼女は深紅の目を満月から校舎へと移し、ニヤリと口角をあげて笑った。
「…さて、始めようか。人間に害をなす邪悪な妖怪の退治に…。」