紅い月−少女の涙と鈴の音−

□MISSION*08
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MISSION*08



『…信じるとか、なんで簡単に言うんだ…』



現在、放課後。
各部活が終わる時間帯…

奈緒はぼそぼそと呟きながら1人、テニス部の部室へ向かっていた。

テニス部の部室のドアは開いて、中から数名の声が聞こえた。
どうやら、テニス部レギュラーは奈緒を待っているらしい。

奈緒は一度深呼吸をしてから入った。



『…来たぞ。』

「「…なっ!!!?? 」」



入ってくる奈緒を、レギュラーは目を見開いてジッと見ていた。



『なんだ、人の顔をじろじろと…』

「眼鏡ないし…カラコン!?」

「神楽、カラーコンタクトをするとは言え、ここは学校だぞ!たるんどる!!」



丸井と真田が言った言葉を聞いて奈緒はあからさまに溜め息を零す。

今の奈緒の姿は、眼鏡をかけていなく、茶色の瞳は綺麗な深紅の瞳だった。
奈緒は丸井は兎も角、真田の方を見た。



『…ほらな、思った通りの反応だ。…今は、つけてない。カラーコンタクトなのはいつもの方だ。こっちが本当の目。』



そう言うと、部室は静寂に包まれた

…やっぱりな。屋上で言ってたことは嘘だったんだ。恐怖を抱いているような目で、私の方を見てくる…。

奈緒はそう思いながら目線を下に向けた。

 
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