紅い月−少女の涙と鈴の音−
□MISSION*14
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MISSION*14
翌日の放課後。
奈緒はテニス部の部室に来ていた
『…は?』
「だーかーらー!キャ、ン、プ、っス!!!」
奈緒に向かって“キャンプ”を強調させた切原。
その隣には、何故か嬉しそうな顔をしている丸井がいた。
奈緒は黙って2人を微妙な顔をして見ている。
『…キャンプ?』
「はいっス!!」
『だから何だ。』
奈緒は部室の空いている椅子に腰を下ろして溜め息を付いた。
機嫌はあまり良くはないが、いつもよりと言って悪くもない方だった。
「奈緒も一緒に行k『却下。』…何でだよぃ!」
丸井が笑って言っている途中に奈緒は即答した
『だいたい、なぜ今時キャンプなんだ』
「あーそれはな!昨日赤也と学校帰りにスーパー寄ったらくじやってたんだよぃ。赤也がやったら“キャンプ10人分”の券当てたんだぜ!!」
「因みにテントとかは向こうで揃ってるのを全て借りれるところっス!!」
『何てことしてくれたんだ切原。』
「おおお俺の所為っスか!?」
驚きながら言っている切原に当たり前だ、と言ってまた溜め息をつく奈緒
『で、だからなぜ私なんだ。他の人を誘えばいいだろう?』
「俺たちレギュラーは行くよ。だけど、それでも8人。後2人分、どうしようかと思ってね」
切原と丸井の間に幸村が入る。
だから一緒に来てくれないかい?と笑顔で言う幸村を奈緒は真顔でスルーした。
やはり幸村の笑顔はきかないらしい。
奈緒は切原が持っていたチケットを取って数秒ほど見つめると、すぐ切原に押し返した。
『……辞めておいた方がいい』
「何でっスか?」
『…その券にのっている写真の場所、隅に何か映っているのが分かるだろう…。お前たちにはもうよく目を凝らせば…見えるはずだ。』
その言葉に部室にいたみんなが反応してその券を見た
「うぇぇ…何だこいつ…気持ち悪っ…」
『そして、その後ろにある仏像だが…、あれがあるということは霊がたくさんいる証拠だ。…そもそも泊まるために必要な物を一式借りれたり、そんな大人数の券が当たったり…ワケアリということが目に見えてる』
…やっぱり霊が見えてたか。
奈緒は横目でレギュラーたちを見てそう思っていた