SEND YOU


□present:5
2ページ/6ページ




「嫌いなもの?」

「そうっス!」

「菜月は嫌いなものとかなさそーじゃのー」

「そうですねー、私も聞いてきたいです」

「実に興味深い話だな」

「…そんなことを聞いてどうするのだ…?」



今日は悠亜が部活のミーティングでいないから久しぶりに教室でご飯を食べようとしていた。

私が机の上にお弁当を置き椅子に座った途端、周りから叫び声が聞えた。



何? と思い、 その方へ向いて見るとテニス部レギュラー。

特にブン太、切原君、仁王君が私の目の前に現れ、思わず構えてしまった。


てゆうか、その前に君達。
人のクラスに何堂々と入ってるんだ?


私はでたー!と思いながらも頭の隅でそんな事を思っていた。

案の定、周りからは睨まれたり、変な目で見られたり…


一緒に食おうぜとブン太に言われたのを普通に断ると、これもまた案の定引きずられて屋上へ。


そして何故かこんな話に。

私の嫌いなものを聞いてどうする…



「んー、嫌いなものかー。…沢山あるよ」

「何っスか?」

「雨と雷。…後、うるさい人かな。強いて言えばブン太。」

「強いて言うなよぃ!」

「そうゆーのが嫌なんだって。…それから柳くん、メモらないで」



私はいきなり立って言ったブン太に言い返すと、ブン太はムッとして座った



「ふふ…」

「それにしても、菜月は最近よう笑うようになったのぅ、やぁーぎゅ?」

「…そうですね」



仁王君の言葉に柳生君達が頷いた

…前はみんなといると疲れるから嫌だったけど、最近はにぎやかなのもいいかもなって思ったりもする。


最初は出会いが唐突すぎてよく分からなかった。

おまけに第一印象も悪すぎてマネージャーをやってくれって言われた時はどうなるかと思ったけど、今となっては楽しく思える。


これからもこんなにぎやかな日が続くんだろうな…

そう思っていた。



…だけど、そんな考えはすぐに打ち砕かれた。





…そう。

これから、何が起ころうとも知らずに。





「あー…、私 先生に頼まれごとがあったんだ…ちょっと言ってくるね」




ご飯を食べてから10分後。

私はみんなの前でそう言って屋上を後にする


ドアを開けて中に入り階段を降りようとした瞬間、後ろから声がした



「ちょっと、あんた」



私は振り返ってみる。

そこには同じクラスで、この前ブン太と話している時に睨んできた人たちだった。


えっと、誰だっけ?

頭の隅でそんなふざけた事を思いながらも、何か嫌な予感がした。



「あんた、何様のつもりよ!?あんたみたいなのがいたらさ、神聖なテニスコートが汚れるんだけど。…テニス部の邪魔、しないでくれない?」



…こんな事言われたら私も黙ってなんかいられない。



「テニス部の邪魔をしているのは、いつもコートの周りで騒いでる貴方達じゃないですか」



そう言うと、向こうの顔が歪んだ



「――っ、あんたねぇっ!」



その言葉と同時に右手で左肩を突かれ、体勢を崩す

体勢を整えようとしたけど、階段を踏み外してしまった



「…あっ」



私は足を踏み外して、階段から真っ逆様に落ちた。

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ