紅い月−少女の涙と鈴の音−
□MISSION*05
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放課後。
「あー腹減ったぜぃ…」
「またか…」
丸井の腹減ったに苦笑しながら反応する仁王。
丸井がお決まりのグリーンアップル味のガムを食べながら言ったので、その隣にいる桑原は呆れながら見ていた。
部活が終了して着替えている立海レギュラーメンバー。
だらだら着替えてる中、1人が何かを思いだしたように言った。
「あ、先輩!口裂け女出たって知ってますか?」
「口裂け女ァ?」
「学校の近くの山に出たと聞いたことがあるな」
「今、学校で凄い噂になっているらしいね。でも、それがどうかしたの?」
話し出したのは、男子立海テニス部二年生エースの切原赤也。
この後に話に乗ってきたのが、昨日黄泉様を行った丸井と仁王の2人と、データーマンの柳、そして立海テニス部部長の幸村だった。
「…また出たって噂らしんっすよ!」
「何が?」
「だーかーらーっ!! 口裂け女がって言ってるじゃないっスか!…で!その山に俺達で行ってみないっスか!?」
切原の一言で、殆どの人は賛成といった表情。
本当はいないと思っているのだろう
「ふーん…」
「肝試し、と言うことか…いいデータが取れるかも知れないな」
「面白そうだね。…いいよ、行ってみようか」
幸村の一言で行きたくない人も断れず、半強制的に行かなくてはならない。
恐るべし大魔王。
だが、そこに凛とした声が響いた。