紅い月−少女の涙と鈴の音−
□MISSION*06
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──コツ…コツ…コツ…コツ…
ハイヒールの音は大きくなるばかり…
「いい?…1。…2。」
──コツ…
「…3!走って!!」
幸村の合図で一斉に走り出すレギュラー
流石は立海テニス部。
全国大会二連覇だけはあって、みんな足が速い。
道の角を曲がって当分走っていると、ハイヒールの音もいつの間にかなくなって姿がなかった。
「ハァ…ハァ…」
みんなはその場でしゃがみ込んだりで息を整えていた。
「な、何だったんだよ…!神楽があんな話するから余計に怖いだろぃ!?」
「そうっスよ!もー早く帰りましょ!」
「…そうだね」
呼吸を整えた彼らは立ち上がって、帰る方向を向いた
〈……ワタシ、キレイ?〉
「「「……………………。」」」
目の前には赤いコートで、赤いハイヒール。
白い大きなマスクに、右手には釜を持った女がいた。
最早、恐怖と驚きのあまり声が出てない立海レギュラー。
切原は涙目で腰を抜かしてしまった。
丸井も半泣き状態だ。
仁王や柳生、真田は固まっていた
…この状況から、果たしてどうなるのか…。