キミの言葉*
□40:不正
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サッカー好きだし、
上手いし、
DFの要だって言うし、
賢いし、
優しいし、
信頼だって厚いし、
女顔なのに見た目と違って男らしいし(まぁこれはどうでもいいんだけど)
だけど、俺は…、そんなみんなから好かれる霧野先輩と違って……
そう思うと、何だか悔しくて…。
俯いてそう思ってると、藍花はいきなりクスッと笑った
藍花「…やっぱりいいや…無理には聞き出さないよ。」
狩屋「……え?」
藍花「…寂しそうな顔されたら、聞き出せない。だから、言わなくていい…」
そう言って、優しく微笑んでくれた
藍花「(…私も軽く人間不信だから、マサ君の気持ちだってよく分かるし…)…だけど、無理しないでね…?」
狩屋「…ありがと、藍花」
藍花「……ちょっ…マサ君…?」
俺は思わず藍花に抱き付いた。
いつもなら離れてとか言うくせに、こう言うときは優しく抱きしめ返してくれる。
そして、優しく背中を撫でてくれる。
そう言う優しいところが俺が藍花を好きになった理由。
おひさま園で、独りぼっちだった俺に初めて話しかけてくれた人。
『──…狩屋君はもう1人じゃないよ…。…私がいるから大丈夫だよ…!』
藍花の言ってくれた言葉は今でも忘れない。
一度も忘れたことなんかない…。