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□歯車
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私が“暁”の一員となってから、早いものでふた月が経過しようとしている。

「……」

そしてその間で“暁”という組織について分かった事。

組織はペイン・小南・干柿鬼鮫・うちはイタチ・赤砂のサソリ・大蛇丸・角都・ゼツという面々に私を含めて九人だという事。
つい最近まではもう一人居たらしいのだが、角都によって殺されたらしい。

アジトは世界各国に数ヵ所所在しているらしく、ランダムに移動する事。

基本的にツーマンセル行動。
ペイン・小南が常に一緒に行動している為、私が組まされるのはむさ苦しい野郎ばかりであるという事だ。

ちなみに会話はほとんどしない。
と言うより、そんな雰囲気じゃない。
陰険でジメジメしてるってのが“暁”のメンツに対しての正直な感想だ。
そんな雰囲気の連中が、里抜けしてまで集団行動する意味がよく分からん。
ま、和気あいあいとしてたらそれはそれで気色悪いが、挨拶くらいしてもバチは当たらんだろうに。

「……」

そんな事を思いながらボーッとしていた時だ。

「……」

背後から嫌な視線を感じ、ゆっくりとそちらを振り向く。
そして目に映ったのは不気味な笑みを浮かべる男。

「……」

確か大蛇丸だったか。
名前の通り、蛇のような眼をしてる。
身体中を舐めまわすような視線が気持ち悪い。

「…お前、いい眼をしてるわね」

「…そりゃ、どーも」

「フフフ……」

「……!」

「…けど、言葉遣いがなって無いわ。目上の人間には敬意を払いなさい…?」

あっという間に間合いを詰められ、耳許で大蛇丸の声が響く。
仄暗い地の底から聴こえるようなその声に、背筋がゾクリとした。

「……」

さすが“暁”、どいつもこいつも油断のならないヤツばかりだ。




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