KUROBASU

□前半で終わるこいつら
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グリム童話パロで「カエルの王子様」
姫の真ちゃんとカエルの高尾くん
ご想像どおり高尾くんがかわいそうです

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冬のある日、池の周りで鞠投げをしていた真ちゃん。

しかしうっかり鞠を池に落としてしまいます。

あぁどうしましょう。

今日は運勢最以下だというのに
よりにもよってラッキーアイテム(以下LI)を落としてしまうなんて・・・!!

真ちゃんの眉間に姫らしからぬ皺が刻み込まれます。

波紋をつくる池を睨みつけていると、一匹の高尾くんが現れました。

「どうしたんだいそんなに怖い顔をして?」

見ず知らずの人。
いえ見ず知らずのカエルに話かけられた真ちゃんは一層不機嫌になりました。

それもそのはず
今日最も悪い運勢の真ちゃんが最も気をつけなくてはならないのがカエルだったのです。

しかもLIは池の中。
このカエルが自分に災難を被ること間違いありません。

「ねぇねぇどうしたの?」

あまりにもしつこいので仕方なく訳を話すと

「そういうことなら俺がとってくるよ」

と、高尾君はドンっと胸を叩きます。

「その代わりといっちゃなんだけど
俺を真ちゃんのマイルームにお邪魔させて「そうかならば十秒以内にここに持ってこい
俺がお前に許せる時間は十秒だけだもし違うものを持ってきてみろ
そのときには二度とその口聞けないようにしてやる」

慣れ慣れしくふてぶてしいカエルの言葉を
真ちゃんは辛辣な言葉でねじ伏せます。

流石の高尾くんもこれには目を白黒させましたが
すぐに池の中に潜っていきました。

「全く、困ったお姫様だ」

幸いカエルになっても鷹の目が使えた高尾くんは
難なく鞠を見つけ真ちゃんの元に戻ります。

「どうだ、見つけてきてやったぜ」

手元に戻ってきた鞠は確か真ちゃんが落とした金の鞠でした。

「それじゃさっきの約束だけど、実は俺王子でさぁ〜」

勝手に話し出す高尾くんをよそに
鞠と高尾くんを交互に見た真ちゃんは事の真意に気付きました。

「んでね、真ちゃんが俺のいうこと聞いてくれたら元に戻れるって話よ」

「そうか」

真ちゃんはひとこと言うと、高尾くん目がけて鞠を投げつけました。

予想外の出来事に反応できず
至近距離で剛速の鞠を受けた高尾くんは池に落ちてしまいました。

あまりにも理不尽ですが、何せ真ちゃんですから
多少のやんちゃは致し方ありません。むしろこの程度の所業など許容範囲です。

「なるほど、紛れもなくこの鞠はLIだったということか」

真ちゃんが満足そうに微笑むと
本日二回目の寒中水泳を終えた高尾くんが
元の王子様の姿でぷかりと浮かんできました。




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あら?話を改造するどころか折り返し地点で終わってしまった・・・・。 

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