Eternal・Life

□Forewode・Life
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Foreword・Life







Even if vanishes from every memory.
(たとえ誰しもの記憶から消え去ったとしても)
I promise you not to be forgotten.
(忘れないと約束しよう)
No matter how the memory disappears.
(どんなに歯車〈キオク〉が壊れても)
Another time,
(またいつか、)
I wish there is it with you・・・.
(一緒にいられるように・・・)

眠っているのか、死んでいるのか、
どちらとも見当がつかない意識の中を彷徨って、
あぁ眠っているのだと思った。

 いや、今こうやってものを考えているのだから、正しくは、眠っていた、
のだと思う。

きっと、長い間良い夢を見過ぎていた。
あまりにも心が満たされていた。
だからきっとこんなことを思ったのだろう。

‘あまりはっきり’、と言うか、
‘全く何も’覚えていないのだが、
きっと幸せな時を過ごしていたのだ。
眠っているのか、死んでいるのかも、
分からなくなるくらい・・・・。
 
 そしたら今度は、急に胸が苦しくなってきて、もう一度あの夢を見たくなってきて・・・・。
 
「・・・」
 
鼓動が速くなっていくのが分かる。
なんだか焦っている自分がいて、それがもどかしくて仕方がない。

 考えすぎてしまったらしい。
意識がだんだんとはっきりとしてきてしまった。
 まるで、もう夢に浸っていることは出来ないと、
言われているようだ。

 知覚に続き、触覚、嗅覚、聴覚が働きだしてきたのが分かる。
 こうなっては仕方がない。こんなにも体が起きろと言っているのだ、
逆らわずに従うことにしよう。

「!!!」
 
 本当に長い時間眠っていたらしい。
縮こまっていた体は、異常なくらい、
これっぽっちも動いてくれなかった。
 そして、もう一つ、異常なものに気が付いた。

それは、自分が今いるところである。
とても、
とてもうるさい所だ。
今まではただ黒いものの中にいると思っていたのだが、
どこかしこからの感覚がはっきりとしてきたせいで、この騒音に気が付いたのだ。

うるさい。
とてもうるさい。
頭がガンガンして、今にも砕けてしまいそうだ。

『起キタ、起キタゾ』
『我慢強イモノダ』
『早ク、早ク言エ』
 
攻め立てるような酷い騒音に、
ついにはまた胸が苦しくなり始めた。

「?」

しかし、それに紛れて耳に届く、
確かな言葉があった。

『消エロ、消エロ』
『居ナクナレ、居ナクナレ』
 
この騒音の中、どうして聞き分けられたのかは分からないが、
‘今’のではっきりした。

確かに届く言葉があった。
 
しかし、これが自分に宛てられたものなら・・・。
もしかすると、
自分はこの騒音の中で眠っていたのだろうか?
想像しただけで身の毛も与奪が、
そうすると辻褄が合う。誰が好き好んでこんな真っ暗で、
意味の分からない声を聴かなくてはならないのだ。
 こんな場所だからこそあんな幸せな気持ちで満たされていたいと思うのは、当然のことだ。
 
 だからきっと
コイツラから目をつぶり、
あの幸せな夢の中へ逃げ込んだのだろう。

 考えてみればすぐ分かることだ。
あれは心から望む自身の夢。
文字通り、自分の夢は、
夢の中でしか叶わないものだったのだ。

『ナンダ、マタ小サクナッタゾ』
 
その事実を、
まるでコイツラに突き付けられているようで・・・・・。
 
眠りたい。
夢でいいから、また戻りたい。
この声のいないところへ行きたい。
コイツラから解放されるなら、どこへでもいい。

『イツマデ待タセル気ダ』
『イツマデ閉ジ込メル気ダ』
『早ク出テイケ』
 
両耳をがっしりと手の平で押し込んだ。
 
 いっそのこと、
 頭を打ち付ければその衝撃で意識を飛ばせるかもしてない。
 そう思った矢先、襲い掛かるように全身に浴びせられる騒音が、
自分の中で、ぴたっと止んだ。
実際には今もなお、けたたましく響いているのだが、
それらが一瞬で聞こえなくなる程の言葉だ。
耳を、疑うくらい。
 
今、何と言った・・・?
 
強く食いしばっていたせいで、一度噛みしめた奥歯は離れなかったが、
淡い期待の言葉は、縮こまっていても続けられた。

『外ニ行キタイ、自由ニナリタイ』
『四千年、コノ時ヲ四千年待ッテイタ』
 
外があって、
そこには自由があるのか?
 
聞き返したいことが今にも口から零れ落ちそうになった。
そしてその言葉を紡ごうとした直前、
それらの期待を遥かに上回る言葉も聞こえた。

それは、‘四千年’という言葉。
 
四千年?
四千年とはどういうことだ、
そのような時間をここで過ごしていたというのか、
外の世界があるというのに、あんな幸せな夢を、
こんなところで見続けて・・・・。

『出タイ、ココカラ出タイ』
 
出たい、ここから出たい。
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