KUROBASU

□めでたければいいのです
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「は?」

突如ドアが壊され
魔法使いの木吉くんがどーんと現れました。

「なにぼーっとしているんだ?早く行かないと終わっちゃうぜ?
まずは・・・そうだな、かぼちゃの馬車と御者が必要だな」

「いや待て待て!?
アンタいきなり現れて何言ってんだよ」

「火神、畑からかぼちゃとそこらへんのネズミ捕まえてきてくれ」

「聞けよ話!!」

「ん、なんだ?無いのか?
仕方ないなぁじゃ俺が用意するか」

木吉くんは畑を散歩していた二号を馬車にかえて
そこらへんの日向くんを捕まえて御者にかえました。

「てめぇ木吉・・・いきなり何しやがる」

「ははは、ネズミの日向も面白いけど
燕尾の日向もこれはこれで面白いな」

「勝手に笑いもんにしてんじゃねーよダァホっ!!」

「いい加減にしろよあんたら!!」

いい加減我慢の切れた火神くんが叫びます。

「もうすぐ12時回るし、そもそも武道会じゃなくて舞踏会だし
かぼちゃの変わりが二号になってるしっ!ネズミが主将って」

「いやぁ〜花札してたら遅くなちゃっ・・・えっ武道会じゃないのか!?
それじゃドレスが必y「何しに来たんだアンタっ!!!?」

どうやら突然現れた訪問者は魔法使いではなくたいぶネジの飛んだ変人だったようです。

「それじゃ火神、魔法をかけるぞ!
ちちんぷいぷいそぉ〜れ☆」

193pのがたいの良い大男が笑顔全開で☆のスティックを振りかざしますと
火神くんは瞬く間にそれはそれは美しい姿に変身しました。

「その魔法は12時の鐘が鳴り終わったら解けるから、それまでに帰ってくるんだぞ」

「もう数十分しかねぇけどな」

「大丈夫だって夏に死ぬほど砂浜走って足腰鍛えただろう?」

「重要な台詞こんなところに持ってきてんじゃねーっすよ!!」

「後は日向がクラッチ入ってくれればなんの問題もないって」

「むしろ先輩が御者にかえた時点で入ってる気がすんですけどね」

「そうか!それは良かったな!!」

「あーもうこの人疲れんですけどっ!!!?」

火神くんはやっと二号の馬車に乗ると、木吉くんが
「あ、後ガラスの靴はちゃんと階段に落とすんだぞ」と手を振って見送ってくれました。

「主将、木吉先輩ガラスの靴落としてけって言いましたけどこれって」

火神くんはドレスの裾をたくし上げ
自分の足にはまっているものを見つめました。

「・・・アイツにいちいち突っ込んでたらキリねーから折り合いつけていかねーと身がもたないならな」

二号に跨った日向くんが遠いいものを見るように答えました。



城に着いた火神くん。
誰もが溜息をもらすその美しい姿はすぐに王子さまの目にも留まりました。

「僕と踊っていただけませんか?」

王子というにはあまりにも影が薄く、身長も170pも満たない小柄な少年でしたが
火神くんはとても楽しい時間を過ごしました。

しかしその楽しい時間にも終わりがやってきます。
火神くんは12時の鐘が鳴り終わるまでには帰らなくてはなりません。

「あ、ちょっと待ってください!!」

呼び止める王子の声にも振り返ることなく、火神くんは長い階段を一気に飛び降り
途中で履いていた片方の靴を落としていきました。

そして数日後の朝。

「はぁ〜また行きたいなぁ舞踏会〜水戸部もそう思うだろう?」

「・・・・」

「うんそうだよな。今度は火神も一緒に行こうな」

「べ、別に俺はいいっすけど」

「でも残念だったわ、せっかく行ったのに一度も王子様の姿が見れないなんて」

本日の料理当番である水戸部くんを中心に、朝食の準備をしていると
お城の使いの伊月くんが家を訪ねてきました。

どうやら舞踏会で王子様に見初められた女の子をお探しのようです。

「この家には、この靴にぴったりの足をもつ子はいるか?
はっ・・・!この‘靴’にぴったりな子を発‘掘’!?ヤベキタコレ!!」

少々うざいギャクをかます伊月くんには目もくれず
四人はその靴に釘付になっていました。

それもそのはず、差し出された‘靴’は舞踏会に履いていくにはあまりにも似つかわしいものではなかったからです。

しかし火神くんは、ぷすっと笑った後
納得したように「俺の靴です」と申し出ました。

だって舞踏会に29p越えのバッシュを履いていく女の子なんて
木吉くんに魔法をかけられた火神くんぐらいなのですから。



**********

おっしゃぁあああ!!!
最後まで行ったぁああああ!!!最後まで行ったけど・・・なんじゃこりゃ

二号は出てきたのに一年ズと土田くん出てこんかった・・・・



おまけ
↓↓↓↓↓

「うんうん大成功だったな」

「てめ木吉!!!
なんで俺ネズミのまんまなんだよ!!
いっちょまえに‘仕事しました’みたいな顔してんな早く戻せ!!!」

「え?参ったな・・・日向、心当たりある?」

「どう考えても出所はお前しかいねぇだろうがダァホ!!!」
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