Eternal・Life

□Forewode・Life
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いつの間にか、
そう思えずにはいられなくなっていた。
うずくまり、
あんなに固まっていた体から、すっと力が抜けた。
 
以前はここでない別の場所にいたのだろうか。

 少なくとも、こいつらは最初からここにいたわけではないらしい。
ならばきっと、自分もそうであるはずに違いない。

『開ケロ、開ケロ』
 
開けろ、開けろ。
 
あの夢は、叶わないものだから見たものではない。
叶う場所があるから見たのだ。

『何ヲシテイル』
『聞コエナイノカ』
 
それなのに、
こんなところで四千年も眠っていとは
一体どういうことだ。
 
 うるさくてうるさくて、目障りで仕方がなかったものが、
だんだんと遠いいものに感じられてきた。
 
 何故ここにいる?
眠っていた理由は何だ、
何のために四千年もの間・・・・。

『出セ、ココカラ出セ』

出してもらおう、ここから・・・・
 
 黒の中に、二つの紅色が一際怪しく灯る・・・・・

『 ────── 』
 
 瞬間、
何かが弾け飛んだ。
そして、

『開イタァアァアァアアア!!!!!!』
 
今まで黒だったものが、一斉に動き出したのが分かる。
体中に蠢く何かを感じる。
意識が飛びそうなほど、頭が不規則に振り回され、
手足の自由が利かず、体はあらゆる形でひん曲がった。
 そして、いつしか下に向かって自身が流されていた。
実際は黒の奴らに巻き込まれているだけなのだろうが・・・。
そして、
 
「・・・・・」
 
静かになった。
 
 今までの世界とは真逆の世界が目に飛び込んできて、
心臓が、ドクン、ドクンと高鳴っているのが分かる。
 強く願った外の色は、大部分が白、金色、そして────────

「ここから出てきたのか」
 
 とりあえず、声は出るらしい。

自分がつい先ほどまで閉じ込められていた‘もの’を見上げ、
立ち上がろうとした。が、

「!!!」
 
崩れた。
どうやら、四千年間眠り続けていた体を今すぐどうこうするのは少々、
いやかなり難しいと見える。

「・・・っふっ!」
 
 それでも、
もっとこの世界を見ていたい。
夢が叶った場所を、
やっと静かになったこの場所を隅々まで見て、
触って、
この目で確かめたい。
 体のどこかしこから、
まだそんなに動くなと悲鳴が聞こえるけれど、
今目の前に広がる黒一色ではないこのきらきらした輝かしい世界で頭が一杯で、
話を聞かない体の主は、辛うじて順応する前腕を使い、半ば引きずるようにして移動を始めた。
                            *
 
 誰もいなくなった最上階の静粛の間’

その天井には巨大な水泡の塊があった。
全てを吐き出してすっきりしたのか、
もしくは吐き出したことを隠したいのか、今度はその水泡の塊が、弾け飛ぶ音を鳴らした。
 
 何もなくなった最上階の‘静粛の間’

またの名を
‘怒叫(なげき)の間’
弾け飛んだのは《有罪の鎖》

 閉じ込められていたものたちが吐き出される瞬間に、
響き、
弾け飛んだ音。

それは正(まさ)しく、判決が下される音だった。


〜独り言のようなあとがき〜
 『Eternal・Life』略してEL。長編になりますがどうぞ最後までお付き合いくださるとうれしいです。
 ではでは、失礼します!!
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