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□赤い蝶
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暗い部屋の中、僕はひっそりとほほ笑んだ。

その状況は一般人から見たら

微笑める状況ではなかっただろう。

僕がほほ笑んだのは

僕が狂っているからなの?

「ねえ、すっごくきれいだよ、涼介。」

ーそんなの知らない。

僕は自らの脳に浮かぶ考えをかき消し、

目の前の美しいものに目を移す。

赤い血液にまみれた

涼介が方で息をしている。

「っは…、はっ…。」

苦しそうに悶える涼介を見て

僕はそれすら恍惚とした笑みで見つめる。

ああ、なんてきれいなんだろう。

僕は涼介の白い頬に触れた。

頬にはぬるりとした赤い液体が付着していた。

それと一緒に涼介の

流した涙が僕の手をつたう。

ねえ、なんで涼介がこうなっちゃったのか、

わかる?

…全部、涼介が悪いの。

僕が机を涼介に投げつけて

涼介の足からいっぱい血が出ちゃったのはね

涼介のせいなんだよ。
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