Creation

□結ばれる事なんてないのよ
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「あかずきん、おばあちゃんにこれをとどけてきて」



「はぁい」




おばあちゃんはもういない

おおかみさんにたべられてしまったから



でもおかあさんはそれをしらない

あたしがおかあさんにそのことをいってないし

おかあさんがおばあちゃんのいえにいくこともないから



おばあちゃんがおおかみさんにたべられたのは

あたしが14さいのとき



――――――




いつものようにおつかいにいったら

くちのまわりをあかくそめたおおかみさんと

おなかからないぞうがでてるおばあちゃんがいた



あたしはこわくてこわくてにげようとおもったけど

ちまみれのおおかみさんにみとれてしまって

そのばをうごけなかった



そんなあたしにおおかみさんはちかづいてきた

でもあたしはにげなかった

おおかみさんにたべられてしぬならいいかなっておもったから



おおかみさんはゆっくりちかづいてきて

あたしのめのまえにたった



「おまえ、なんでにげないんだ?」



「おおかみさんにたべられてしぬならいいかなって」



「おまえへんなやつだな。なまえは?」



なまえ・・・じぶんのなまえなんてわすれた

おやからもともだちからもあかずきんってよばれてたから



「・・・あかずきん」



こうこたえるしかなかった



「へんななまえだな」



おおかみさんはわらいながらいった

おおかみさんのえがおはすてきで

すきだった



「いいなまえっていってちょうだい」



つられてわらいながらいう

おばあちゃんをころしたおおかみのまえで

わらいながらじょうだんをいうなんていまおもうと

そうとういかれてたきがする



「・・・であかずきん、おまえはおれにたべられていいといったな?」



きゅうにしんけんなかおになったおおかみさんに

どきっとしながらさっきじぶんがいったことばをおもいだす

そういえばそんなこといったきがする



「えぇ、あなたにたべられてしぬならほんぼうよ」



ほんねだ

ひとめぼれってやつだったのかな

わたしはおおかみさんがすきになってた



どうぶつ、しかもじぶんのそぼをすきになるなんて

じぶんでもおかしいとおもった

でもわたしはおおかみさんがすきだった



「しぬなんてかんたんにいうなよ」



さっきにんげんをころしたばっかのやつが

いうことじゃないとおもったがせいろんなので

なにもいいかえせなかった



「・・・。」



「まぁ、おまえはたべるが」



「え・・・?」



おかしい

しぬなんてかんたんにいうなっていったちょくごに

わたしをたべるだなんて

いのちをたいせつにするおおかみさんじゃないの?

まぁいいや

おおかみさんにたべられてしぬならしんだっていい

いきるのにつかれてきたし

まいにちつまらなかったから



「たべられたいんだろ?おれに」



「ええ、はやくたべてちょうだい」



あやしいえみをうかべるおおかみさんにたいして

わたしはちょうせんてきなえみをうかべる



いっぽ



にほ



さんぽ



よんほ



おおかみさんはどんどんちかづいてきて

わたしのめのまえにきた

そしてわたしのことをだきかかえた



「え・・・?」



おもわずこえにだしてしまった

なんでわたしをたべないの?

しぬかくごはできていたのに

なんでわたしをだきかかえてるの?



「なにふしぎそうなかおしてんだよ。

 たべられたいっていったのはあんただろ?」



「えぇいったわ。

 なんであたしのことたべないのよ」



「たべるよ。

 ほんとはがきなんてくわねえんだけどな」



そういっておおかみさんは

わたしをべっどにねかせた



そこでわたしはすべてをさとった

”たべる”って”おかす”っていみだったんだと

でもわたしはていこうせずに



おおかみさんにたべられた





――――――



それから4ねんたったいま

わたしは18さいになった

あのひからおおかみさんとのかんけいは

ずっとつづいてる

おかあさんにおつかいをたのまれたときに

おおかみさんのところにいって

だかれてかえる



おおかみさんとせっくすしてるときが

ゆいいつのたのしくてしあわせなじかんだった

おおかみさんにこたえるように

あえいでしめつけて

なんかいもきすをして

そしていっしょにはてる

それがしあわせでしあわせで



きょうもいつもどおりしあわせをかんじられるとおもってた

おおかみさんのおうちにいくとちゅう



ぱぁん



とかわいたおとがきこえた

りょうしさんがやせいのどうぶつをころしたんだとおもう

おおかみさんではないとおもってた

6ねんかんりょうしさんにみつかることなく

くらしてきたっていってたからだいじょうぶだとおもってた

きょうはなんのどうぶつがころされたのかな

ってはなしをしようなんておもいながら

おおかみさんのおうちまでのみちをあゆんでいた



おうちまであとすうじゅうめーとるのところで

まっかなちだまりとくろいなにかがあった

くろいなにかはしろいきれいなおはなをもっていた

そのくろいなにかはおおかみさんだった

そういえばきょうはわたしのたんじょうびだった

おおかみさんはおぼえててくれたんだ

あたしはそのばにくずれおちてないた

おおきなこえでなきさけんだ



しばらくないているとりょうしさんがきた



「やぁあかずきんちゃん、

 そこをはなれてくれないか。

 そのおおかみはおじさんがしょぶんしなくちゃいけないから」



「なんでおじさんがしょぶんするの・・・?」



「だってそのおおかみ

 わたしがころしたんだもの」



おじさんがおおかみさんをころしたの?

なんで?ねぇなんで?おじさん?

ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ・・・



「うわああああああああああ嗚呼ああAアアあああああ」



おじさんはびっくりしたかおでわたしをみた



「あ、あかずきんちゃん・・・?」



「かえしてっ

 わたしのおおかみさんをかえしてっ

 うああああAアア嗚呼あああああ亜あああいsgdklなうあdgkあwひぁごsじゃろjshぽうはおじあうdlwysゃいp」



どうようしておとしたおじさんのじゅうをてにとり

わたしはおじさんにむけて








はっぽうした



ぱぁん ぱぁん



かわいたおとがきこえるのとほぼどうじにおじさんはたおれた

たくさんのちをながして




「あ・・・ぁ・・・」



なんてことをしてしまったんだ



つづけてにはつもじゅうせいがきこえてきたら

むらのみんながあつまってくるだろう

そしたらわたしはざいにんとしてここでくらせなくなるだろう

わたしだけじゃない

おかあさんも



おかあさんにめいわくはかけたくなかった

ここまでそだててくれたから





あたしはおおかみさんのよこにたち

さいごにこういった




「おおかみさん、ずっといってなかったけど

 あいしてる」







ぱぁん



ひときわおおきいじゅうせいがもりにひびいて



あたしはしんだ

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