TARITARI-夢を諦めている少年-
□飛びだしたり、誘ったり
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「ふ、あはは!!!……。♪〜。」
イヤホンをつけ、
携帯の画面を凝視しながら
白浜坂高校の廊下を歩く
小さな少年。
イヤホンをつけて
何かの動画に夢中になって
周りから、変な目で見られてるの気付かない。
……ガンッ!!!!
「痛っ!!!!」
少年は教室の引き戸に気づかず
入ろうとして
顔全体を殴打した。
あまりの痛さにしゃがみこんでいる。
「また、セロリドジってる♪
馬鹿じゃん!!」
「芹沢、気をつけなよ。大丈夫?」
少年-芹沢悠(せりざわ はるか)
の後ろに
宮田小夏と沖田紗羽がいた。
「沖田さんありがと…。
あと、宮田さん俺セロリじゃないし!」
「セロリはセロリじゃん♪」
「だ、大体俺セロリ嫌いだし!!!!」
「え、そういう問題なの!?
…あ、早くしなきゃ高橋先生くるわ!!」
紗羽が小夏の手を引き、
教室に入っていく。