短編

□オレは何にも間違ってなんかない。
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つまらない。

つまらない。

この世界はつまらない。

つまらなすぎる。

毎日が、かたつむりみたいに過ぎてく。

退屈だから。

もっとチーターみたいに過ぎようよ。

何で、みんなこんなつまらない世界で住んでんの?

何でオレもこんな世界に住んでんの?

オレが望んだわけじゃない。

オレが望んだわけじゃないけど、生まれた時から、きっと住んでた。

ってか、オレっていつ生まれたの?

そんなこと知るかよ。

何でオレがそんなこと知ってんだよ。

知ってるわけない。

もし、いつ生まれるか分かってたとしたら、こんな時代に生まれてはこなかったよ。

自分で選べるもんなら是非とも選びたかったよ。

ほんと、

この世界はつまらないね。








オレは何にも間違ってなんかない。
作・太太郎k









あんまりつまらなすぎる世界だったから、

オレは世界をもっとおもしろくしようと思った。

校則や法律なんてものには一切縛られない、もっともっとおもしろくて楽しい世界。

大人も子供も、男も女も一切関係ない世界。

創造できたところを想像すると、超興奮する。

きっと、オレにならそんな世界が造れる。

造れる、絶対に造れる。

だから、みんな。

オレを応援してくれ。

応援してくれよ。

オレはみんなをつまらない世界から助けてあげるから。

あげるからさ。

みんなも嫌だろう。

きっと嫌だろ?

子供は毎日毎日学校なんかへ通って、大人は毎日毎日仕事なんてして。

遊ぶ暇なんてないじゃん。

一日は二十四時間しかないんだよ?

その中で、一日のほとんどをそれで過ごしちゃうわけだから、

大人も子供もそりゃあつまらないよね。

`何で学校に行かないといけないんですか?´

って、前に先生に聞いたらさ、

`勉強するためです。´

って、先生は言ったんだ。

`何で勉強しなきゃいけないんですか?´

って、さらに聞いたらね、

`将来就職できないからです。´

って、先生は言ったわけ。

`じゃあ、どうして就職しなきゃいけないんですか?´

って、さらに聞いちゃったら、

`将来生きていけないからです。´

って、先生は言っちゃったよ。

確かにそうだね。

このおかしい世界では、お金がないと生きていけないもんね。

先生は正しいと思うよ。

このおかしい世界から見たらね。

でも、それは間違ってるよ、先生。

それは、惑わされてるよ、先生。

このおかしい世界に惑わされてるだけだよ。

このつまらない世界に惑わされてるだけだよ。

先生だけじゃないけどね。

目を覚ましなよ。

みんな今すぐ目を覚ましなよ。

自覚してないようだから言うけど、

君達は間違ってるよ。

大間違いしてるよ。

将来のために今がんばるって?

今頑張たって、最終的にはまたがんばらないといけないじゃんか。

それって、すごく矛盾してるよ。

すごく矛盾してるよね?

だから、

`でも、それってすごく矛盾してないですか?´

って、オレはさらに先生に聞いたんだ。

そしたら、先生はね、

`学生は黙って勉強しとけばいい。´

だって。

先生だってちゃんと分かってないじゃないか。

日々していることが。

日々しなきゃいけないことが。

それを何でしなきゃいけないのか。

まったくもって分かってないじゃんか、先生。

所詮はみんなオレと同じなんだよ。

何でこれをしないといけないんだろうなんて思って、

ただ過ぎていく日々に流されてるだけなんだよ。

生まれた時から、これをしろあれをしろだなんて言われたら、確かにそれをし続けるよね。

それが、本当に正しいかどうかなんて分からずに。

それをただ正しいものだと信じてしまうよね。

でも、本当は間違っているんだ。

君達は本当に間違ってるよ。

校則や法律が正しいなんて誰がいつ決めたの?

誰?ねえ、教えてよ。

そんなに規則に従うのなら、

それくらい分かってるんだろ?

ねえ、そうだろ?

本当は何にも分かってなんていないんだろ?

みんな誰が決めたのかも分からない規則に縛られてるだけなんだよ。

生まれた時から、

大人が言う`正しいこと´にオレ達は従ってきたよ。

でも、そんなの大人の方も分かってないんだよ。

何が良くて、何が悪いかなんて本当は何一つ分かってなんていないんだ。

ただ、それが正しいと教えられたからそうしてるだけなんだ。

いつまでそんなバカな事を続けるの?

いつまでそれが正しいと思い込み続けるの?

真っ直ぐ前を見て考えてみなよ。

みんな惑わされてるだけなんだよ。

誰かが決めた規則なんてものに。

この世界は規則に縛られすぎてる。

大人は、これはダメ、あれもダメだなんて言い続けるけど、

そんなことしてて楽しい?

先生は生徒が悪い事をしたら怒るけど、

オレ達のことなんてどうせ微塵も興味ないでしょ?

ただ役目を果たしてるだけでしょ?

先生という職業は生徒を育てることだって決まってるから、

仕方なくやってるだけでしょ?

所詮、誰だってそうさ。

オレだってそうさ。

人ってのは、自分が一番なんだ。

結局は自分なんだ。

人は、自己中の固まりなのさ。

自己中星人のオスとメスから産まれたものなのさ。

所詮、それくらいのもんなのさ。

日々、やりたくないと思っても、

この世界で自分の思い通りになることなんて中々ない。

自由な時間?

そんなものこの世界にはないよ。

規則がオレ達を縛っている限り、

オレ達は一生やりたくない事をし続けなきゃいけないんだ。

毎日毎日、何のために今これをしてるんだろうだなんて考えながら、

人は毎日毎日同じ事を繰り返す。

やりたいとか、やりたくないなんてことは一切関係ない。

機械のようにただひたすら言うことを聞き続けるんだ。

今してることに何の意味があるのかなんて一切考えないで。

考えるのがめんどくさいから、

人は考えない。

無駄に考えたくないがために、人はめんどう事を避ける。

避けてしまうんだ。

心の中では、何度も何度も愚痴を溢し続けるけど、

結局は行動なんてしない。

所詮は口だけなのさ。

人ってもんは。

オレだって所詮は口だけ人間さ。

今思えば、生まれた時から、オレ達は世界に縛られていた。

縛られていたのさ。
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