考えてしまった。
どうしてモテないのか、なんて。
確かに地味だ。悲観的だ。だけどそれを補うくらい明るく、振る舞っているつもり…というか振る舞ってるのに。
「…顔の問題?」
「どう考えたって趣味の問題だよ」
…隣にいた千鶴ちゃんから、手痛い一言。
パラリ、パラリと広げていた雑誌を捲って、私はうぅ…と唸った。
「だってー…イケボじゃん」
「イケメンだしー」
「そこら辺の男なんてめじゃないものー」
トントン、と雑誌を叩いた人差し指に千鶴ちゃんは。
「…確かにカッコいいけどさ…土方さん。でも怖いよ」
紙面の「人気の声優達」
「私は彼推しだな、やっぱ」
とかいって、斎藤一くんを指さす。
声優マニア
俗にいえばこういうこと。
でもさ、
「…なんか友達だったヤツがキャーキャー言われて会いづらくなんのってキツいよね」
「…そうだね、家も皆結構近いのにさ」
はぁあ、と、二人してため息をついた。