坂田銀時と恋に落ちる?
□銀色の雪がつもる頃
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銀色の雪がつもる頃 1
朝から降り止まぬ雪を窓から眺めていた。
「なかなか止みませんね。帰るの面倒くさくなっちゃうなぁ。」
新八は帰り支度をしながら、銀時に話しかけた。
「あぁ…何をすんのも面倒くせぇなあ…」
「だめですよ。それ以上ダメ人間になられたらこっちが困りますからね!」
「ダメガネに言われた時点でだめアルね!」
「何をー⁈だいだい神楽ちゃんは子供なんだから、子供らしく(雪が降って楽しいなー!)って外に遊びに行ったらいいだろ⁈」
「私を子供扱いするアルかー?」
「だって言ってたじゃない!今年やり残した事は雪遊びすることアル!って!今ならできるよ?行って来いよー!」
新八と神楽がじゃれあうのを眺めながら、また窓の外に目をやった。
(…今年やり残した事か…)
「…ちょっと出かけてくるわ」
「銀ちゃんどこ行くアルかー?」
「一杯ひっかけてくるわ」
銀時は半纏を羽織ると、マフラーを手に取り、夕刻の暗がりへと消えていった。
冬の夕暮れは早く闇に包まれる。雪がしんしんと降りしきる中、街灯の明かりが白くボンヤリと辺りをきらめかせている。
銀時はビルの外壁に体の片側を預け、一方向だけを見つめていた。そのビルの入り口から人影がちらつく。
「…よォ。」
片手を上げて、ニヤリと笑う。
「…銀さん⁉」
小走りで近づいて来る彼女は、うっすらと雪の積もった銀時の頭を背伸びをして払おうとする。彼はゆっくりと体を屈め、手が届くようにした瞬間、唇と唇が軽く触れ合った。
一瞬にして赤くなっていく彼女の顔をみると、イタズラっぽく笑った。
「ホラ、早くほろってくれよ…」